ご機嫌な時にはあまりおすすめできない作品ではありますが、後味悪いもの好きとしては期待たっぷりで読みました。女の人の描く思春期の少年少女はねっとりとしていて、独特の味がにじみでているので切り離そうとしても当時の空気を思い出してしまいます。卒論の参考資料で読んでおくべきだったなあと思いながら、それぞれの世界に入り込んでいました。読むのがつらいと感じてしまう人もいるかもしれませんが、それはつまりそれだけ現実味があるということなのでしょうか。彼女たちの文章からにじみでる風景が痛々しくも、懐かしく感じられました。