『ダウン・イン・ザ・バレー』*3

仕事おさめで大掃除をして、みんなで食べて飲んで、お昼過ぎには解散となったので、無料券を持っていたこともありレディースデーで見たい他の作品を抑えつつ、あまり期待せずに見てきました。冬休みなのに想像以上にガラガラの客席。以下、少々のネタバレとメモを。
期待しすぎていなかったせいか、普通のラブストーリーものだろうかと高をくくっていたせいか、終盤の展開に思わず手に汗にぎってしまいました。間違って少女を撃ってしまった男が後悔のあまり自分に銃を向けて、ああもうこれで終わりなのだろうなと思っていたら、男の率直さはかなり捻じ曲がっていたようで、自分にとって都合の良いように解釈をかえて説明するところには人間の持つ恐さと面白さを感じました。
私にとってこの作品の主人公はカウボーイにあこがれるエドワードノートンでもその彼を好きになりながらも自分のいる環境を変えたくない、白くて妙に色っぽい少女でもなく、その弟でした。途中得意の勘違い思考が発展して、弟が父親を撃ってしまうのではないかとハラハラしてしまったのですが、そんなことはなく作品の中での主人公はあくまで男、純粋過ぎるが故に不器用でひん曲がっていて、でもなぜか憎めない人でした。男の子の方は穢れをまだ知らない純粋さがあったのが、終わってからの表情が少し変わっていたところにもまた引き込まれてしまいました。どこかで見たことがあると思っていたら、マコーレカルキンの弟、なるほど納得、憂いを秘めた内に表情を変えるところがとても良かったです。