エレキコミック第13回発表会「デタラメ・オン・ザ・ビーチ」

少しセンチメンタルなので、これから見る方や余韻にひたりたい方は先を読まないことをおすすめします。


テレビで見ていた頃はそんなでもなかったのに実際にライブで見たらその押しの強さやちくりとした苦い痛みや徹底的にバカなところでがつりとやられてしまい、それから好きなコンビの一つになりました。
くだらなすぎてあきらめたように笑ってしまったり、バカすぎるのに切ない部分もあって笑っているのに胸が痛くなってしまったりもして、最初は戸惑いもあったのですが、その痛みさえも味として受け入れられるようになり、大好きになりました。
以前と純度が違ってしまったせいなのかもしれませんが、今回の単独、物足りないように感じてしまいました。最終日だったのでやついさんの声が嗄れていたのは前もそうだったのであまり気にならなかったのですが、会場が広く到着が遅れたためにほぼ一番後ろの席に座ったせいか、ものすごく遠く感じてしまいました。二人の表情も見えるし、最初のやりとりもあるのにすごく遠いイメージ。
単に感傷的な気分になっていただけなのかもしれません。エンドトークで早く終わりたがっていたやついさんを見ながらハラハラしてしまったり、いつもなら引っ張って引っ張ってしつこいぐらい引っ張ってボケるところがあっさりしてしまったりして、どうしても「こなしている」というような印象がぬぐえませんでした。好きなのに、確かに笑っていたのに、なぜなのかわかりませんが、胸の中にもやもやとしたものが残ってしまいました。切ないけれど痛いけれど笑ってしまうものが少なかったせいかもしれませんし、台風も来ていて二回公演でお二人が相当疲れていたからなのかもしれません。それでも、全力でバカをやっている二人とはどうしても思えませんでした。最後、エレキコミックスでレコ発ライブをやると宣伝していてうれしい半面、彼らは一体どこへ行ってしまうのだろうという気持ちにもなりました。
だからと言って楽しくなかったわけでは断じてありません。帰りの電車で頭の中をネセサリネセサリが回っていたり、幕間の映像を思い出して笑いそうになってしまったりもしました。ただちょっと、距離を感じてしまっただけです。要するに私には原宿が合わないということなのかもしれません。もしかしたら地方で見たらまた印象が変わってくるのかもしれませんが、北海道の単独の日は私が北海道から帰る日なので、次にエレキのネタが生で見られるかもしれないのはライジングサンのブラックホール、そしてエレキを選ぶとなると自動的にフィッシュマンズが聞けなくなるということになってしまいます。そこはまだまだ悩みどころ。