RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 1st day

*行く前の予定*
KAN→トクマルシューゴ栗コーダーカルテットandymoriTENNISCOATSOGRE YOU ASSHOLEOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDROVO聖飢魔IIスチャダラパー→オオハタハラダナガヅミ

昨年との違いは、アースとクリスタルパレスの配置、音量・音出し規制(もともとなのか、厳しくなったのかは不明)、土のぬかるみ、グリーンからムーン・ボヘミアンへ抜ける道でのリストバンドチェックがなくなった、ボヘミアンのガチャガチャ、他の会場までの徒歩・駆足での到着時間の目安看板……あとは思い出したら追記します。

今年は前日までの大雨による影響で足場が悪く、長靴が大活躍でした。足場が悪く、土のにおいが牧場というかそのような感じのものがきつかったのですが、雨に降られなかった割に湿度が高かったため、砂塵が舞ったり乾燥でのどがイガイガすることはなかったです。
携帯から送ったものを含めつつ、思い出を噛みしめながら書くので長めです。毎年そうなのですが、覚えておきたいことが多すぎて困ります!
(セットリストなどは記憶が曖昧なので、EZOorDIE!さんのところを参照しました。)


飛行機の時間を昨年よりはやめにしたのですが、乗ってから出発するまでに30分近くかかった結果、早起きした分が損したような気になりました。
新千歳空港につくとひんやりするという記憶があったのに、今年はちっとも北海道らしさを感じることなく、じんわりとした暑さを感じただけでした。空港から出るバスを待つ間、受付のおじさまに話を聞いたら例年より暑く30度以上なのも久しぶりとのこと。
数日前の大雨の影響で現地の足場がゆるゆるという情報を知っていたので、長靴を送らないで良かったと会場に到着してすぐにそのありがたさを感じました。入場後、すぐに履き替えてテント設営へ。
昨年は受付に時間がかかったのですが、今年選んだところは全然並ばずにすみ、行ったところも水没していることもなかったので、テントも割とスムーズに建てられました。休めるところがもう一つあった方が良いという、身体を労る考えからフォレストにもテントサイトを取ったので、そちらへ移動。するとグリーンではCoccoがリハ中でした。他とかぶっていたのでまさか聞けるとは思わず得した気分。

フォレストでテントを建てていると、風にのってKANの歌声が聞こえてきて、ああこちらもリハやっているのだなあ、などとのんきなことを思っていたのですが、無事建て終えてタイムテーブルを確認したら、嗚呼、嗚呼、哀しき哉勘違い! 15:30〜だと思っていたのですが、普通にきっちり15:00スタートでした。その時点で15分ぐらい、友人を巻き込んでしまって申し訳ない気持ちになりつつ早歩きでレッドへ。

KAN
登場時から見たかった!とまず思ったのはその衣装から。ナポレオンを思わせるヨーロッパ貴族のような出で立ち、もちろん白タイツ! 他のバンドの面々も個性的な衣装で、それなのに演奏はしっかりかっちりしているので、ひたすら自分の勘違いを責めるしかありませんでした。聞けたのは「1989(A Ballade of Bobby & Olivia)」の途中から。
グランドピアノにむかうKANは茶目っ気たっぷりで、いわゆる「KAN(笑)」みたいな感じで見に来たお客さんもひっくるめてそんなの関係なく楽しませようという精神を感じて、プロの強さというものを思い知らされました。「愛は勝つ」が始まったらお客さんがわーっと来たのも印象的。曲の持つ絶対的なポジティブさ、肯定感がどーんとせまってきて、この曲を今のKANが歌うから余計に来るものがあった上、途中で第九を挟むアレンジ! 格好良い、どうしようKAN格好良い、普遍的なポップをやり続ける彼はこんなにも輝いているのにどうして今までちゃんとみなかったのかと後悔するほど。アルバムの中で好きだなと思っていた「よければ一緒に」も聞けてララララ歌えたのも嬉しかったのですが、後から調べたら「まゆみ」もやったらしく、またしても自分を責めました。Coccoグループ魂も見たかったですが、KANを最初に聞けて良かったです。
ちなみにMCでガチャガチャの缶バッチについて「ぼくのが一番かわいいです!」と断言していたのですが、確かに一番かわいかったです。ガチャガチャ&その交換をほとんどやらなかったので手に入れることができなくて残念。


トクマルシューゴ
急いでムーンまで行くと聞こえてきたのはリコーダーの「ピタゴラスイッチ」。栗コーダーカルテットは時間がかぶっていたのでどうしてだろうと思ったら、トクマルさんが吹いていたらしいです。野外で聞くトクマルシューゴは開放的で気持ち良い! たくさんの楽器の音が絡みあってごちゃごちゃして、一つひとつを解いていくよりもその中に絡まっていたかったです。途中からでも「parachute」も聞けて、時間があまったらしく二曲追加してくれて満足。

ボヘミアンまでまた早歩きで行くと、まだ栗コーダーがやっていて、運良く本家の「ピタゴラスイッチ」も聞けました。リコーダーの音が空に抜けていくようで、自然とニコニコ。年齢層の幅が広かったのも印象的でした。
グリーンまで戻ってandymoriを見ようかなとも思ったのですが、お腹が空いたので先まで歩き、いちごけずりを食べつつレッドのLOVE PSYCHEDELICOにしびれていたら結構時間が経ってしまったので再びボヘミアンへ。andymoriを見た友人から、やっつんいたよ、とのメールが来ました。


TENNISCOATS
人がまばらに座る中でのTENNISCOATS、こちらもボヘミアンの雰囲気にぴったりでした。そのままうとうとしてしまいそうで気持ちよくなっていたら、さやさんがステージから降りてきてお客さんに紙を配って、始まったのが、あのメロディーだけで既に反則の「Baibaba Bimba」。お客さんの間を縫うように動いて歌っていて、どうやらあの紙には歌詞?が書いてあったようです。途中までマイクなしで歌っていたのですがそれでも声はきちんと届いてきて、植野さんも動いて降りてきて、後にマイクを取りに行き、今度はお客さんが移動してさやさんを囲むように座る形になり、その自由なスタイルと反則メロディーに思いがいっぱいになりました。
その後ムーンへ行ってオウガを見ようと思っていたのですが、もう少し余韻にひたっていたかったので、昨年足を踏み入れずハナレグミのシークレットを見逃して後悔したTAIRACREWへ。まだ陽が上っていたのでキャンドルに火は灯されていませんでしたが、ハンモックがたくさんあったため、そこに入ってゆらゆら。虫よけをしてこなかったのでここで蚊にさされました。
オウガに行った友人から聞くとムーンにぴったりでものすごく良かった!とのこと。こちらも後悔はしましたが、余韻を大切にしたかったので仕方がないと諦めます。
フォレストのテントに入って、誰もいないので横になりつつOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND。足が疲れていたのでヨガのポーズをとったりストレッチをしたりと、かなり自由な形で聞かせていただきました。盛り上がっている歓声も耳にしながら、元気が出たので次はムーン!


ROVO
暗くなってきた中、もう少しでステージが見えるというところで聞こえてきた音からぐいぐい引き込まれてしまいました。取り込まれるとはまさにこのこと、音に魅せられて揺らされて焦らされて、この関係性は何、わたしたち付き合っているの?どうなの?はっきりさせて!なんて情景が浮かぶぐらいでした。映像や照明も含めて一つの世界を作り上げていて、ここから抜け出せるはずがありません。


終了後、またしても早歩きでサンへ行き、聖飢魔IIをチラ見。サンへ行く人よりもそこから来る人の方が多かったのは、グリーンにPUFFY、レッドに安藤裕子と魅力的な女性が並んでいたからなのでしょう。閣下は閣下で、ROVOでまだぼうっとしていた頭をきっちり戻してくれました。相撲ネタを挟んだりしてトークも軽快、演奏も安定していて見せるところは見せるし、さすがベテラン。ついついエレ片でゲストに来てくれた時のことも思い出してしまいました。
私にとってのメインはこの後にまだ残っているので、今のうちにと長靴に履き替えて水没しているアース側へ。グッズを引き換えガチャガチャをやり、もともとアースで見ようと思っていた人たちも少なかったので、あまりこちら側へは来ないかもな、と長靴でザブザブ泥に入りながら移動しました。こちらにメインがたくさんあって長靴の用意をしていなかった人にとっては結構きつかったかもしれません。
ちなみに夜も更けてきたのに例年のような寒気を感じることはなく、Tシャツだけでも動いていれば大丈夫でした。


スチャダラパー
スニーカーに履き替えようか、そのまま長靴でいようか、スタンディングゾーンへ入ろうか、遠くから見ようかと迷っていたら友人から電話が来て、既にスタンディングゾーンへ入っているとのこと。当然来るよね?と言われたらもちろん行きます。一人だったら遠くだけで満足していたので、彼女たちには感謝!
スタンディングゾーンに入るのは三年、いやもっとひさしぶりかもしれません。割と前の方だったのでスクリーンがなくても顔がわかるぐらい、でも人はまだまばら。ステージでは着々とセッティングが進められていくのですが、そこにベースがあってまず一安心。なぜなら我がいとしのアイドルである、笹沼さんが来るとわかったからです! 感謝祭だと三人でやることがメインとなっていたので、もしそのコンセプトを引き継いていたら今回も三人だけという可能性もあったわけです。さらにその後サンプラーが登場して、この時点で誰が使うものかわかってしまって、なるほどね、と一人でニヤニヤ。
スタートは感謝祭の時に流れていた映像から。はじめて見る人にも優しいスチャダラパー、恒例となったコールアンドレスポンスについての説明もなめらかに、次々と曲をつないでいきました。最初は三人だけだったのが、「ライツカメラアクション」の後にソウルセットが呼び込まれて「NEVER ENDING BEATS」。おじさんたち六人が必死にダンスしている姿を今回も拝むことができました。花形の前列四人に目が行きがちですが、通な私はきちんと後列、DJ二人のダンスを凝視。そして「GET UP AND DANCE」が始まってしまったので、それほどサプライズなゲストはもうないのだろうなと感じながらも顔はゆるみっぱなしでした。
「ジャカジャ〜ン」でようやく笹沼さん&木暮さんが登場し、視線はもちろんベースへと向かいます。「今夜はブギーバック」が始まった時のどよめきと、ハナレグミというアナウンスがされた時のどよめきの種類はきっと違うものだったのでしょうが、本人以上に歌っているかもしれない永積さんによるブギーバックは彼なりの味が出ていました。ちなみに小沢健二ネタは、ANIが1234のカウントをする時に「ひ・ふ・み・よ!」と言うと、「その後にニューヨークの停電が〜とか続くんでしょ、そんなこと言ったら怒られる」などとBOSEから突っ込まれるというやりとりがありました。MCというかBOSEとANIのやりとりが漫才っぽくて、このカウントのところはおぎやはぎ風で、他のところでも色々なネタが入っていそうでした。
もう終わりなのかな、と思わせておいての電気、この盛り上がりもかなりのものでした。衣装は大阪野音の時と同じオードリー春日さんスタイルで、瀧のボリュームがよくわかります。瀧 vs ANIに入るまでの時間がかなりあって、ぐっだぐだ、でもそれもまた楽しくて誰も止めない。こんな大きなステージでこんなにもくだらないやりとりをさせて良いのかな、という不安もありつつ笑っていて、曲が始まってふむふむと聞いていたら歌詞にも笑いが起きていたので、この曲を知らない人たちも結構いるのだなあということもわかりました。数年前のものでもきちんと笑える歌詞というのもすごいことなのかもしれません。「聖☆おじさん」は確かに盛り上がるのでやってくれてもちろん嬉しいのですが、「Twilight」はもう生で聞けないのかと思うと切ない気持ちにもなります。あんなに格好良い曲なのにもったいない。
ここでこの日一番びっくりすることが起きました。驚きすぎて腰抜けそうでした。途中で呼び込まれた名前、まりん! 普段着、おじさん、持っているのはホウキ、そしてそれをギターに見立てて演奏、さらにステージ中央まで引っ張り出されてジャンプジャンプ!
七尾旅人さんにもびっくりしたのですが、まさかここでまりんを見られるとは思っていなかったので、不意打ちすぎて笑うしかありませんでした。電気がサンでやった時にゲストとして呼び込まれたこともありましたが、スチャダラで来るなんて卑怯です。田舎が北海道だから帰郷ついでに呼ばれたらしく本当に普通の格好でした。
最後は夏にぴったりのサマージャム、2010! 何度聞いても情景が頭の中に浮かぶ曲で、楽しさとその余韻をひきずるさみしさが同居していて、その時が楽しければ楽しいほどに切なくなってしまいました。アンコールでやるような曲を大体やってしまっていたのでないだろうなあと思っていたのですが、23時近くまでやってくれた上、この曲が最後だったので物足りなさはありませんでした。


オオハタハラダナガヅミ
テントに戻って少しゆっくりするはずが、時間がないため戻ることなくそのままボヘミアンへ。
この組み合わせを見るのはスチャダラ感謝祭前に行われた、日比谷小野音でのフリーライブ以来。自由な雰囲気がボヘミアンとマッチしていて、結果的に二時間ぐらいやってくれました。前もハナレグミで長時間やってくれたので、期待して見に行って良かったです。
長い!ゆるい!永積さん酔いすぎ!ぐだぐだ!でもみんな素敵!
演奏は三人+曽我さん+Pすけさんの五人。それぞれの持ち曲をやったりカバーをやったりして、おおはたさんの「不思議なくらい」から流れるように「BABY BLUE」を永積さんが歌っていたところはとても自然で、曲のつなぎ目がわかりませんでした。前方にいたお客さんは韓国から来たのか、リクエストを聞かれたのかどうかは忘れてしまいましたが、「ケンチャナヨ」と言っていて、そこから日本では未公開の「ケンチャナヨ」がスタート。調べてみると、空中キャンプというイベントでハナレグミが呼ばれた時にやった曲のようです。大丈夫という意味のケンチャナヨは、ひたすら「ケンチャナヨケンチャナヨケンチャナヨー!」と叫ぶ曲で、お客さんも叫ぶさけぶ。永積さんも相当酔っていたらしく、みなさんやりたい放題でした。
そんな中呼び込まれたのはBOSEで、彼が一番しっかり者に見えました。「Peace Tree」もあの場所にぴったりの曲で、ゆるく拍手をしながらへっへっへと笑っていたかもしれません。何年か前みたいにビッケも来てくれたらなあという期待もありましたが、贅沢は言いません。
野音の時は曲が少なめかなと思ったおおはたさんですが、今回は予想より多めにやってくれて、「おだやかな暮らし」もちゃんと聞けました。最初の方は立っていたものの、疲れてきたので後ろのほうで座ってパーティーを見守る感じに。
ラストはスタジオに入って練習した?この曲だけはやることが決まっていたという「悲しみにさよなら」。全部の中の曲で一番ひどかったです。手に負えない状態だったので、不安全地帯と自ら呼ぶほど。この曲だったのかそれより前だったのかわかりませんが、フリースタイルの時間があり、誰でも好きな曲を歌うことになり、永積さんが「ポリリズム」、おおはたさんが「EzDoDance」、郁子ちゃんが「Give Me Up」というレアな歌も聞くことができました。最後がこれはひどいということで始まったのが「明日天気になれ」で、本気でそう思っていたので合唱しながら強く願ってしまいました。眠くなってきたのにしあわせで泣きそうなほどのひととき。
どうやら今年から音量規制だけでなく音出し規制もあったらしく、その時間を過ぎていたようなのですが、怒られてもいいからやる、と言って永積さんが出てきて、音量を気にしてなのかアコースティックスタイルでアンコールをやってくれました。BOSEも呼び込まれて始まったのは、この時曲名をよくわかっていなかったのですが、ohanaの「ヒライテイル」でした。確かに聞いたことがあるのに誰の曲だったっけ、と首を傾げたのは一瞬で、BOSEは「FUN-KEY4-1」のライムをのせ、みんなで歌い、今がずっと続けば良いのにと手拍子をめいっぱいしました。
終わった後、友人と落ちあってコーヒーを飲みつつ、興奮した頭を落ち着けるので精一杯。ちょうど流星群が見える日でしたが空は曇天で、それでもたくさんの輝きを見ることができたので夜ご飯がビスコ二枚でもおなかいっぱいでした。