やくしまるえつことd.v.d 「"Blu-Day" release party」

もろもろの山が残っているものの、フジロックへ行かなかったのでまりん熱がおさまらず恵比寿から汗だくだくでUNITへ。


Y.Sunahara
どうしたら良いの?と何度も自分に問いかけてしまったのは、およそ一年ぶりに体感した彼の音がやっぱり好みだったからです。スクリーンに映し出される映像と流れてくる尖った音がぐるぐると身体の中に吸い込まれて、人がぎゅうぎゅうで動くスペースがほとんどない中、自然と揺れてしまいました。無機質にも思えるけれどしっかりとそこに流れる血液を感じて、無表情の向こうに見える感情が見たくなる、という不思議な感じ。
しかしびっくりしたのは、普段のライブでもかなり控えめに動いている私が、周囲の中で一番動いていたことでした。え?え?動かないの?と疑問が沸いてしまうほどじっとしていて、踊らされているのは私だけなのか、それほど単純なのかと落ち込みかけましたが、彼のしたいパフォーマンス、映像と音との関係性が私の求めているものとほぼイコールなので、気にしないことにしました。せっかくなのでもっと大きな会場でゆるく見たかったです。
そしてこの日衝撃的だったのは、パフォーマンスが終わった後にまりんがMCをしたこと!驚きすぎてステージを見ながら口が開いていました。苦笑いが起きる冗談、まとまらない話、ぐっだぐだな進行……へたれ加減も愛らしいなあと微笑ましく見ていたら、ゲストにいしわたり淳治さんとやくしまるえつこさんを呼びこんで「神様のいうとおり」。無機質+無表情にかわいらしい声が加わると印象もまた違ってきて、きちんと音源を聞いていなかったのを後悔しました。
まりんのライブを見られただけでもう満足なのですが、ただひとつ、まりんの「Population」を聞けなかったことだけが残念です。


やくしまるえつこd.v.d
やはりこちらもお客さんの動きはほとんどなかったのですが、彼らの場合私も揺れるより見ていたい気持ちの方が強かったです。映像とステージの全景を見たかったのは、それ自体がひとつの作品になっているようで、ライブやショウというよりもインスタレーションという言葉の方がぴったりきたからでした。座席があってある程度ステージから距離のあった会場の方が良かったかもしれません。音と遊んでいるというよりも音で遊んでいる印象があって、やくしまるさんの声もそのひとつ。一人ひとりが音で遊んでいて、そこから作られるものを見ている感じがしました。映像はまりんと違って強いメッセージ性が込められているわけではなく音に合わせてかわいらしく、ポップに動いているので見ていて楽しくなりました。
曲数が少ないためかアンコールはなし、人がぎゅうぎゅうなのに動きが少ないせいなのか、酸欠で倒れ気味の方もいました。やはり今度はどこでもステージの全景を見やすい会場の方がよさそうです。