「NEUTRAL NATION 2009」

スケジュールが上手いこといったので、ここぞとばかりに夏フェス開きをしてきました。新木場まで遠かったので久しぶりに必死になって自転車をこぎ、電車を乗り継ぎ、駅からコーストまで走りました。よりによってスライマングースはトップバッター、到着した時点で音が聞こえてきましたが、何とか間に合ったので良しとしました。
小規模な都市型フェス、というくくりなのかもしれませんが、全体を通してとても良いイベントだったなあという印象でした。


SLY MONGOOSE
お客さんはそこそこで、下のフロアにいても笹沼さんがよく見えるぐらいでした。ライブを見るたびに言っているような気がしますが、塚本さんのギターさばきにも目を奪われる、生の「Mandragora」がやっぱり良かったです。このイベントは全体的に持ち時間が長かったのでそれぞれのアーティストをお試しではなくきっちり聞くことができるところも良く、おかげさまで久しぶりに「THE GUNGOOSE」も聞けてベースを堪能できました。


SOUR
彼らの曲も世界観も好きなのですが、前回生で初めて見た時に覚えた違和感は今回もぬぐえませんでした。描かれている世界が好きで音源もよく聞いているのに、ライブだとバランスが悪くなってしまうからなのか、曲をちゃんと聞くことができないような印象がありました。とはいえ、それぞれのイントロでぞくっとしていたので、慣れも関係しているのかもしれません。


環ROY
ちらっとだけ見たら自分でDJをしながらライムを乗せていくスタイルで、軽快なMCをはさみつつ盛り上げ上手。


ELEKIBASS
ハッピーでピースフル、大きな盛り上がりを迎えるまではいられなかったのですが、衣装も鮮やかで楽しさあふれるステージでした。


EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
たぶん一番お客さんが入っていました。何と言ってもエゴは原色が似合う! 赤でも青でも黄色でもステージが映える映える、マイクスタンドにランタンのようなものをぶらさげていて幻想的な雰囲気もありつつ、歌はとってもパワフルでした。しかもパワフルなのに女の人のしなやかさも持ち合わせているものだから、情熱の中に妖艶さがチラりと見えてぐいぐい引き込まれてしまい、夏だからということでシンディ・ローパーのカバーもやったりしつつ、あっという間に終わってしまいました。


Sparkring Poolにてぐったり椅子に座っていたので、DJをしていたのがKYOKOさんだったのかFURUKAWAさんだったのかわからないままです。


Mice Parade
おおおおお、見たかったー、見たかったー、しかも期待していた通り郁子ちゃんとミトさんが入っての曲もあって、小さな波が次第に大きくなっていくように自分の中でテンションも上がって行きました。記そうと思ってもイメージばかりなので、それは大切に育てていくことにします。一時間たっぷりのステージでも、もっとという気持ちがあります。


Pepe California
のぞいてみたら良い具合に盛り上がっていて、ステージの前にあるプールに飛び込む人続出。暗くなって遠くには観覧車も見えて、昼とは違ったロケーションの中、しばらくの間心地よい音に身を委ねてしまいました。


クラムボン
始まるちょっと前に「ワンダーフォーゲル」が流れてフロアがちょっと盛り上がったのですが、その際思い出したのはDJやついの話でニヤニヤしてしまいました。直前にはマイケルカバー、その流れを汲んでか始まったクラムボンのステージでは曲の途中で「フォー」と言ったりして、それが変に合っていたりするところが面白かったです。一曲アダム・ピアースが参加して、それも良くて良くて、このままレコーディングしたいというミトさんの言葉にうなずいてしまうほど引き込まれていました。
曲名がわかるほどきっちり聞き込んでいないのが申し訳ないのですが、明るめで盛り上がる曲もあり、影や憂鬱さを感じさせる曲もあり、持ち時間がたっぷりあったため大きく展開していくようなものを聞くこともできました。


たくさんのアーティストが出演するイベントだと持ち時間が少なく、ショーケース的な感じになってしまうこともあるのですが、このイベントはそれぞれの持ち味がわかるようにという配慮もされているのか、じっくり聞くことができたので行って本当に良かったです。
ステージもSparkring Poolというところに初めて行ったのですが、ウッドデッキだったので時折木のにおいがして、たくさんお客さんが入っている状態だとステージと青空しか見えず、自分がまるで空にいるかのよう……ああ夏だ、フェスだ、ここは本当に東京なのか?と疑問を感じるほどでした。
軽めのフェスだとなあなあな感じが目立ってしまいそうなのに、きちんとお客さんのことも考えていて、ゴミの分別に関しても他のフェスのようにきちんとスタッフがいたり、メインフロアの奥のところにはちゃんと休憩用の椅子が用意してあったり、屋台まで行くのが面倒な人のために甘いものの手売りがあったりといたれりつくせり。ちゃんと運営している人が見えるという点でも良くて、クラムボンのアンコールが終わった後、ステージ奥に設置されたスクリーンに流れてきたのはスタッフロール! 今回のイベントに関わったアーティストやスタッフの名前が並べられていて、最後まで見終わってから力強く拍手してしまいました。次回開催されてスケジュールが合うようなら是非とも参加したいです。