ZANZIBAR EXTRA

終わらなくて終わらなくて泣きそうになっていっそ行くのをやめようかと諦めかけたのですが、笹沼さんに会わないと一年が終わらないし始まらない!と無理やりに黒猫へ紙様をあずけたため、消化不良のまま恵比寿まで。一段落着いた時がライブ開始時間だったので、どうやっても間に合いませんでした。

最初はサイプレス上野とロベルト吉野で、それなりに諦めを持って行ったもののチラッと聞いただけで早速後悔。ダサさと格好良さのバランスがとても良くて、トークもやっぱり上手くて、ああ最初からいれば良かったと思ってしまうほど、すぐに引き込んでくれました。普通に話しているリズムでそのまま曲へ行って、違和感なくラップに移行しているところが当たり前ながらすごい!と興奮してしまいました。喋りのなめらかさと巡ってくるリズムがかっちりと合っていて、それはそれとして話でも笑わせてもらって満足はしています。彼らには体験する楽しみがあるので、またイベントで見てみたいです。
セッティングはされているけれどしばらくの間はDJタイム。フロアがごっそりあいたのでどうなることやらと心配していたのですが、スタートする頃にはゆるゆるながらそこそこ人が入っていました。
私が唯一ミーハーになることを許している人物、といえば笹沼さん。正直なところSLY MONGOOSEの新譜は好みからほんの少しずれているかな、という印象だったのですが、いざライブで聞いてみたら「物足りない! これでは全然物足りない!」と叫びたくなるほどしびれてしまいました。やはり実際の音を体感するのと音源を聞くのとは全然違うようです。
リズム感がまるでないので変拍子が入ると乗り切れず身体がちぐはぐな方向に揺れてしまったりして、ここでアルコールが入って乗り方がよくわかる人だったらもっともっともっと曲を楽しめるのだろうな、といううらやましがりな気持ちもありつつ、自分への戒めとして手にしたミネラルウォーターだけでも十分でした。そして圧巻だったのが「Mandragora」! これはもう、聞いていて身体の血液が逆流、とまではいかなくてもあちこちを自分の体の中をスピード上げて駆け巡っていくのがわかるほどに興奮してしまいました。生音の格好良いのなんのってもう、笹沼さんに釘付けだった私もギターをかき鳴らしてノイズを発生させる塚本さんにひきつけられてしまいました。後で音源を流してみたのですが、もっと重く深度があって、全然違いました。
本当にあっという間で、スチャダラバージョンも良いけれど「Snakes And Ladder」はやっぱりインストでないと、とここぞとばかりに音に乗せられて、しばらくは現実を忘れることができました。ラストは前半のサイプレス上野とロベルト吉野を交えて彼らのアルバムに参加した曲。さらにアンコールにはもう一組ゲスト……もしかしてもしかして卓球なんてことあるかも、という期待がかなえられることはありませんでしたが、お馴染みの面子を見ることはできました。スチャダラ+ロボ宙、つまりはハロワ状態。盛り上げ上手のおかげで「Defenseless City」で大団円。
全然物足りない! と私以外に思っていた人も多く、しばらく拍手がやまなくて、もっと長い間SLY MONGOOSEを聞きたくなってしまってどうしましょう、というのが今日新たに出てきた悩みです。
ミーハー情報はといえば、今日も厚着だった笹沼さんは最後の曲でやっとTシャツ姿になりました。そして今日もベースをマシンガンのように携えて、私は何度も撃ち抜かれてしまいました。今年は是非、ライジングサンに出て卓球とコラボ!