藤野千夜「中等部超能力戦争」

中等部超能力戦争
オムニバスで最初の部分を読んだ覚えはあるけれど、続きも読んだだろうかと何度も首をかしげてしまいました。記憶の中にあるような展開、でも新しい流れもあって、次第に不穏になっていくと気持ちごと絡めとられていました。思春期の女の子同士のどろどろとした関係、表面上はきらきらしているように見えても実は様々なものによってけがれているような、ちりちりとした焦りと痛み。すっきり爽快な終わりではないところに、藤野さんの他の作品への興味がわいてきました。