オール明けの早朝の景色は厳しさがつきまとって、世界がまだ動き出す前の停滞を感じてまどろみながら白い息を吐き出しました。桜が見頃になった大きめの公園を通るとベンチに猫、坂をころげて横を向くと塀に猫、自宅前の道路には見慣れた外猫。三匹の猫にしなやかな背中をさわらせてもらって、今はもういない彼女のことを思ってしまいました。あの長いしっぽは今どこで揺れているのでしょうか。