古川日出男「ゴッドスター」

ゴッドスター
ああ古川さんのリズムだ、と文にぐいぐい引き込まれてしまいました。疾走感があってノリノリで駆けていこうと思っても短文で強制的に断ち切られるので何度もつんのめって、拍を置いて、一定ではなく少しずれたリズムで世界をすり抜けていきました。呼吸するように、言葉がするすると入って頭を支配していく。肝心なことは何一つ描いていないのかもしれませんが、描いていないからこそ浮き出てくるものがありました。最後になって読点がなかったことを知って、よくわからないまま頷いてしまったのに理由はありません。