めぐらし屋

めぐらし屋

私はこの人の文章に弱いのかもしれません。何かが始まる前の高揚感を丹念に描いていて、大きな展開を迎える前に話が終わる、その引き際が何とも言えなくて地団駄踏みそうになってしまいました。さりげない言葉遣いにも品があって、ほう、と憂鬱ではないため息をついてしまいます。