とぎすまそう

とぎすまそう

つぶやくような、ささやくような、ポエトリーリーディングのような清水さんの声に慣れていたせいか、普通に歌っているだけでも何だか意外な気持ちになってしまいました。音は今までよりちょっとキラキラ感がうすまっているものの空虚なゴージャス感というか、贅沢に感じる色の重みもありました。何度も繰り返されるフレーズは聞き流しを許してはくれなくて、ましてや一度だけでもぐさっとくるような言葉はより強さを持ち始めていました。刺した後でえぐられる、ぐりっとナイフをひねられる、その猶予は少ししかなくて、失いつつある意識の中でとどめをさされるような、束ねられる意志の強さと濃さ。目をそらしていることも無理矢理二度見させられる、向き合わざるを得ないものがありました。