左ききのキキ

左ききのキキ

ライブに行けないかわりに、せめて音源だけでも。色々なところで評されていたように、確かに昔のアート、という音でした。この前までのキラキラとした美しくて狂っている世界とは少し違った、ギターで切り込んでくるようなもの。うすっぺらい紙一枚で指をすっと切られる感じ。
木下さんのケータイ小説をさらっと見ても感じたことなのですが、彼の中にある風景はたった一つで、それを様々な角度から描いているのかもしれません。似ているけれど完全に重なるわけではなくて、本当と嘘とが混ざり合って記憶や風景をにごしていく、そんな描き方を思い浮かべてしまいました。収録されている曲を実際に耳にできるのはいつになるかわかりませんが、また、あの空間を味わいに行きたいです。出来れば息が白いうちに。