SHIBUYA HEART ATTACK'07 後夜祭

先週のようにどうかトップバッターでありませんように、と祈りながらEASTに到着すると、どうやら心配事は現実にならずにすみました。スタンプラリーのがちゃがちゃをやるとmyspaceのおおきなTシャツが当たって、どうせならば音源が良かったなあと贅沢を言ってしまいそうになりました。そういえば今年の協賛にmyspaceが入っていたせいか色々と新しい試みもされていて、QRコードで携帯からサイトにつなぐと各会場の状況がわかるという素晴らしいシステムができていたらしいのですが、残念なことにQRコードとは無縁の携帯を持っている私はその恩恵にあずかれませんでした。


セカイイチ
きちんと聞いたのは初めてだったのですが、しっかりと型ができていて、少し癖があっても歌心のある人だなあという印象でした。歌っているのは明るいだけのものではなくて、それでもにこにこしているような、不思議な空気感。


コーチガリー
そういえば初年度も投票によって彼らが選ばれたのだったなあ、なんて思いながら、息切らせて必死にパフォーマンスをする彼らを見守ってしまいました。気の良い兄ちゃんたちが奏でる音楽は等身大でまっすぐで、微笑ましくなります。


アナログフィッシュ
先週聞けなかった「ダンスホール」で気持ちを浮き上がらせてもらって世界に入る準備はばっちり。もしかして佐々木さんの曲だけなのかな、と思ったのですが前半佐々木さん、後半下岡さんとなっていました。「夕暮れ」を聞くたびに頭の中で展開していく情景が段々と大きな意味を持ち始めているような気がして、少し怖くなってしまうぐらい押しつぶされそうな気持ちが沸きあがってしまいました。照明もきれいで、赤と太陽の光を思わせるクリーム色と、曲の世界と展開とが見事に調和していて、どうしよう、このままイメージに飲み込まれてしまったら、と不安になって続いたのが「さよなら90's」で、この曲はこの曲で聞けば泣き笑いみたいな気分になってしまいました。また別のイメージが展開していって、手が届かなくなってしまいそうな時に斉藤さんの「かっとばせー!」でがしっとその手をつかまれた感覚があって、何とか現実に戻ってくることができました。また聞きたいけれど次の展開を迎えてしまうのが怖くもあって、スペシャ列伝を迷い始めています。



鶴も昨年ぶりだったのですが、変わらず楽しくてにっこにこ。「あめ曜日」を聞くとついスキップをしたくなります。長靴をはいて水たまりの中をじゃぶじゃぶ入っていく感覚。彼らの音楽を聞いていると明るさが満ちていくようで、気持ちが上向きになりました。


堂島孝平
さすが、というぐらい完成されていて、ライブでもコンサートでもない、その両方でもある、ステージという言葉がぴったりのような気がしました。バックバンドが前見た時と違っていて若くなっていて、それでも音は厚く声はそれに負けず、自分たちの空気へと変えてしまう強さがありました。安心して見ることのできるライブで、ラストにぴったりでした。全部見ることはできませんでしたが、今年の後夜祭はポップ色が強めな印象でした。


SHIBUYA HEART ATTACKでしか見られない人たちもいるし、新たに好きになれるバンドもいるし、ワンマン行く前にちょっと様子を見ようというお試しもできるし、転換時間の設定が十五分というのもすごいし、暇な時間はふらりとお店に入れば良いし、迷子になって穴場のカフェを見つけるのも良いし、普段の自分の好きな種類とは違う人たちの音楽を聞く良い機会だし、等々一つひとつ挙げていったらきりがありません。ミナミホイールほど大々的ではなくて、もっと有名なアーティストが来れば集客力も上がるだろうな、とも思うのですがこれぐらいの規模でちょうど良いような気もしていて、形はどうあれずっと続いていって欲しいイベントです。そして一参加者としてささやかに願っているのは、過去のデータベースをどこかのページに作って欲しいことです。昔誰々が出演していたんだよ、というようなステータスがつくようになると良いな。