SHIBUYA HEART ATTACK'07 二日目

前日と同じリズムで動いていたため、同じく一組目を見逃してしまいました。どれにしようか迷っていたので諦めは比較的早くつきました。


tron
80年代ダンスミュージック、というような紹介文に興味を持ってDESEOまで。埼京線から降りたらすぐ目の前にあるというのに、わざわざ遠回りをしなければならない歯がゆさを味わいながら、新しくできたカフェが気になったりもしました。
サングラスのようなものをかけて登場した五人組、SEもガンダム風アナウンスで凝っていて手馴れた印象を受けました。流れてきたのは確かにダンスミュージックなのですが、普通鍵盤が担う音を一人のギターの方が奏でていたのが面白かったです。この音、と思って見ると必ずその人が弦をはじいていて、装飾担当なのだなと納得しました。ただ個人的なことなのですが、電子音バリバリなのに歌声がオーソドックスな質のものだとどうにも違和感を覚えてしまって、インストで聞いてみたいと思ってしまいました。慣れの問題なのかもしれませんが、最後に演奏されたハードロック系の曲の方が声には合っていたように感じられました。それとサングラスを取ったら年齢層高めに見えたことが意外でした。


VANCOUVER VANCOUVER
La.mamaでしばらくのんびりしようとコーヒーフロートをすすっていたら始まったライブ、ギターポップでほんわか。等身大の自分たちのことを歌っていて微笑ましかったのですが、ボーカルの方がギターから鍵盤に変わってからよりいっそう世界が穏やかになって身近になりました。ピアノの音が入っている方が彼らの味が出てくるのかもしれないなあ、と感じました。


そのまま足を休めてSURFING in United States of Americaをちらりと見て、楽しげな音が気になりつつも歩き始めたら、新たな道と道の繋がりを発見して静かに興奮。La.mamaとシネマアンジェリカはすぐ近くでした。せっかくなのでふらふらしていたらCYCLONEに着くのが遅くなってしまい、いなかやろうは少ししか聞くことができませんでした。こちらも鍵盤が入ってしなやかさを持つ優しげな音楽。前日にチラシを配っていたので気になっていたため、もう少し急げばよかったかもしれません。
再びふらふらと耳当て探しの旅に出てしまったせいで、きちんと見ようと思っていたマーガレットズロースも数曲だけ。ですが彼らの音楽は自分たちの世界を持っていて、まさに「日本語ロック」という感じがしました。言葉にこだわりがあるからこそくだらないと思えるような単語も使ってみせるし音に乗せてみせる、こんな遊び方もあるんだよと教えてくれるかのようでした。


ゆーきゃん
アコギ一本弾き語りスタイル。ほわほわとしていてはかなげでもろそうで、くだけてしまいそうなのに完全には崩れ落ちないあやうさが漂っていました。言葉を紡いでいる、という印象が強くて、紡いだ糸の繋がる先を探しているかのようでした。問いかけられて答えは出ないまま、口をつぐんでしまった時にすっと入り込んでくるような世界。一度やってみたかったといって最後の二曲は前列にある手すりに腰掛けて生声で歌って、ほのかにのこっていた熱気がじわじわと溶かされていくようでした。


SEKIDEN
やはり外国の方は身体の作りが違うせいか、音もたくましいなあというのがまず最初に感じたことでした。ドラムの音がびしびし伝わってきて、鍵盤も違った感じを受けて、テンションで乗りきるというか、勢いで攻めてくるかのようでした。


トレモロイド
パンフにも記してあった通りO-CRESTはドリンクの種類が豊富で、飲んでみたら美味しかったです。来年はここで全部引き換えようかな、なんてことを思いながら聞いた一年ぶりのトレモロイド。ライブに行きたかったもののタイミングが合わなかったせいですっかり印象が変わっていました。昨年は良い意味でも悪い意味でもこもる、内に秘めるような感じがしたのですが、今回は場所のせいもあってか開けているようなイメージがありました。だからと言って両手を広げて誰でもウェルカム、ということではなくて、開けた場所から入ってきたものをじわじわと取り込んでいくような感じ。ライブでイメージがあふれて止まらない、ということにはなりませんでしたが、これから見ていったらそんな状況に陥ってしまうかもしれません。来年は何度かライブに足を運んでみたくなりました。


THE BEACHES
考える暇を与えてくれなくて、普段はライブで大きく動くことのない私でさえ踊らされてしまいました。気づいたら身体が動いていて、こんな音楽が流れてきたら揺れないわけにはいきません。楽しくて楽しくて、気づけば一番前で踊っていたゆーきゃんがステージに上げられてギターを弾かされたりして、波があちこちでできていました。熱気がものすごかったです。そういえば彼らのライブは冬にしか行ったことがないので、今度は季節に合った真夏に聞きたいです。


まだ明日もあるという気持ちと、しわ寄せのしわ寄せでどうしようという気持ちと、休みが終わってしまうという気持ちがもみくちゃになりながら、帰りの電車は熟睡。今年も二日間、そこそこの距離を歩きました。