『パンズ・ラビリンス』*2

少しだけ内容に触れるので一応閉じます。


横文字が苦手なので見終わった後にタイトルの意味がわかるという、察しの悪さをまたしても自覚することとなりましたが、作品自体はさまざまな示唆に富んでいて、それをチラリズム程度におさえているので上手い具合にくすぐられてしまいました。そこそこエグいというか、グロいというか、駄目な人はスクリーンから目をそらしてしまうような描写もあったのですが、それとは反対に美しさも持ち合わせていたので、対照となってどちらも印象に残りました。少女が着ていた服にグリーンが多かったのが目に焼きついています。
見ている間、何かの作品世界に通ずるものがあるけれど、それが何なのかわからなくてもやもやして、途中で思いついた『キャメロット・ガーデンの少女』も近いは近かったのですが、パンフを読んでいたらすんなりと謎が解けました。おそらく川勝さんが挙げていた『ミツバチのささやき』でした。残酷さはもちろん、思春期を迎える前の少女の無自覚な色気や強い思い込みなど、そうだそれだった、と一人で納得。
少女が行った向こう側の世界に弟が存在していたこと、それが何とも皮肉に感じられたのですが、そこを含めた上でもおとぎ話でした。