少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人

語り口に多少癖があるので鼻についてしまうかな、と心配だったのですが徹底していたのでさほど気になることはなく入り込むことができました。うぉん、という犬の吠え方を読んで古川さんのことを思い出してしまったりしつつ、どこまでも透き通った世界を覗き込んでいる気分でした。青春ものという視点からすると、後輩との関係がこそばゆくて好きでした。繋ぎとめておかなければ変わってしまうとわかっているのにどうしようもないこと、あの切実さがまばゆいです。