見憶えのある場所

見憶えのある場所

母親と娘との縛られた関係は、同じ女だからこそわかる部分もあってどろどろとしていて、愛憎が入り混じる様が結構さらりと描かれていました。三人称の使い方が独特なのか慣れるまで少し時間がかかりましたが、母親の持つ深い哀しみがどんどんどんどんせまってきて、まっすぐだったはずの背中が多くを語っているように思えました。軽く読めるものの、年を重ねたらまた違った解釈が出てきそうです。