フジファブリック「サーファーキドリツアー」

昨日のMCにおいて、開演前のSEに新曲を混ぜているというようなことを言っていたので急ぎ足でZEPPへと向かったのですが、到着したのは開演ぎりぎりだったので今回も音源としての新曲を聞くことができませんでした。

完売していたものの昨日も販売していて当日券も出ていたので余裕を持っての定員だったのかもしれません。後方には比較的ゆとりがあって、それでも昨日よりは確実に入っていました。盛り上がり方も最終日とあってか大規模で、挙がる手の量が違いました。きのうのおわりがきょうのはじまり、ということでラストに演奏された「ダンス2000」からスタート、二日続けて聞くことのできた曲は反芻するように照明を楽しんで、久しぶりに聞くことの出来た曲には染み込ませるように感覚を張っていました。アロハに帽子にグラサンという加藤さんは良い具合にうさんくさかったです。
メルマガで送られてきたセットリストを見てみると、昨日はシングルをすべて演奏していたようなのですが本日は気持ち悪いゾーンが豊富で、「地平線を越えて」から「打上げ花火」の流れが何ともおどろおどろしくて良かったです。
新曲の一つは昨日と違ってMっぽい男の子のことを歌っているのかと思う内容の初めて聞く曲で、もう一つがまた聞きたいと願っていたものでした。昨夜はうっすらとしか思い出せなかったのにお昼頃になって急に鍵盤の音がよみがえってきて、じっくりと記憶の中でもてあそんでいたのですが、「メトロポリタンミュージアム」を連想して世界観としては一番しっくりときました。思い浮かんだ情景はお風呂場のようにもやもやとした場所で、音が反響しているようなところに閉じ込められているようなイメージ。輪郭がぼやけているのでつかもうとしても届かない、夢なのか現実なのかわからないところが気に入ったのかもしれません。その曲も実際に聞くことができて歌詞も多少は聞き取れて、早く手元に置きたくなりました。
四季は夏と冬だけで、「銀河」では相当に盛り上がってその様を見てニヤニヤして揺れていたら、ふと備えつけのミラーボールが目に入ってきて、よく見てみたらライトが当たっていないのにくるくると回っていました。ステージ上の光を反射して綺麗で、ずっと回っていたのかなと思っていたら後に停止していたのでさりげない演出だったのかもしれません。
この曲好きだなあと改めて思ったのは夏盤で、「陽炎」において照明はもともとのうすい黄色がかったものだけだったのですが、陽炎を演出しているかのごとくゆらゆらと揺らめいていたりして、歌われている情景から自分の記憶へと繋がっていって、近頃懐古することが多いせいか妙にセンチメンタルな気分になってしまいました。もう戻れないあの場所、あの時間のことを思ったり、つらそうな志村さんの声にハッと我に返ったり大忙し。「虹」の照明も黄色がかったものに統一されていたのですが、そちらはチカチカとリズムで遊んでいて違った良さがありました。そして今日はないのかなと思っていたショルダーキーボードは「NAGISAにて」において披露されて、おおいにはっちゃける金澤さんが面白かったです。「花屋の娘」も演奏して欲しいと願っていましたが妄想ソングが一つだけでも披露されたので満足です。


一日はAKANEIROになるかと思っていたので両日ワンマンだと知ってから我慢しようかとも考えたのですが、結局二日間とも行ってしまって、飽きることなく楽しんでしまいました。演奏された曲たちの骨格が変わっていなくてもそれぞれ見せ場を作る曲があって、照明も良かったので目に焼き付けておかないと、とじっくり見てしまいました。踊ってはっちゃけている子達を見て自分ももう少し動きたくなってしまったので、もしライジングサンで見られるのならば挙がる手の中に少しだけ入ってみようかなと思っています。けれどまたおじさんたちとかぶったらそちらを選んでしまうので、楽しみはほどほどにということで。