金魚の昼寝

金魚の昼寝

「金魚」
前作があったと読了後に知ったのですが、読んでいない状態でも妙な含みがある描写があったりはしなかったのですんなり溶け込めました。小説っぽくない文体というか、独特な風合いの綴りなので首を傾げたりもしたのですが、それは拒絶するという意味ではなくて物珍しいということもあって、描かれている世界と調和しているように感じました。男の人で少し化粧もして男の人のことが好きだけれど、別に女になりたいわけではなくて、男でも女でもある自分を精一杯活かしている金魚さん。登場する土地が銀座や池袋や渋谷など今時のものであっても時代が少し前なので街のイメージが違っていて、その様子を想像するのが楽しかったです。