笑う招き猫

笑う招き猫

「猫」
お笑いコンビの話ではあるけれど、それが「女」であることに大いに意義があるように思えました。女であるということと女であるということ、男の子ならば芸のこやしと割切ったりちやほやされたりするけれど、お客さんの多くが同性であるとそうもいかない。会話のテンポも良くてさくさくストーリーも進んでいって、漫才の内容で大笑いするということはありませんでしたが、現実を知りながらも立ち向かっていく青春ストーリーとして楽しめました。モデルとなったシアターDは移転してしまいましたが、あの場所でああなって、と空間を頭の中でやりくりするのも面白かったです。そして文庫版だと片桐さんが解説を書いているらしいので、本屋でパラ読みしないと。