ベニーズ・ビデオ [DVD]

ベニーズ・ビデオ [DVD]

やはり我慢できませんで、ボックスを買おうかどうか足踏みをしていたらツタヤにてレンタル開始されているのを見つけてしまって、気がついたら借りてしまいました。『セブンス・コンチネント』を再び見るのにはもう少し時間と覚悟が必要なので、とりあえずまだ未見のものから、ということで。
こちらも覚悟が必要だなと思っていた通り、打ちのめされっぱなしな結果となってしまって、精神的になぶられるというか陵辱されるというか、どこまでも無表情なところが恐ろしかったです。徹底的な距離感、どんな感情も見えないシーン、そして何でもない無機質なカットを怖いと感じる瞬間があって、ストーリーだけではなく映像的にも翻弄されてしまいました。温度のない変態映画、決して心地良くはないものの好きです。
特典映像としてハネケ監督のインタビューが収録されていたのですが、意外に話す人のようで、作品についての解釈を突っ込んだところまで説明したりはしないものの、気難しさをあまり見せない人のように見えました。できれば解説はして欲しくなかったなあ、という気持ちも少しあります。他の作品にも特典映像が含まれているようなので、見るか見ないか悩みどころ。
作品を見た後はどんよりとした釈然としない気分になりますが、どうにも気になってしまうのでこれはやはりボックスごと買うべきなのかもしれません。