われら猫の子

われら猫の子

「猫」
星野さんの文章には中性的な色気とでも言うのか、官能的でねっとりとした描写があっても女性とも男性とも言えない、独特の香りがあるようです。噛み砕くのに時間がかかるものもあったり、直感的にぐいぐいと引き込まれてしまうものもあったり、掲載された雑誌のカラーと比べて作品を照らし合わせてみるのも一興でした。わけがわからないうちに煙に巻かれる感覚は、今回も健在で特にボルヘスが出てくる「砂の老人」という作品では茫洋とした部分がうまく出ていて、メモしたいところもあったのですがついつい忘れてしまいました。