liquid cherry '02

仕事納め後に映画を見ようと思っていたのに、飲んだアルコールが思いの外強くてめまいを起こしてしまい、上映時間に上手くかみ合わなかったのでデパートを巡ってパン屋を物色。のんびりしようと思い立って渋谷から恵比寿までてくてくと歩きました。


段を上がったフロアが半分ほどつぶれていて、最初から最後まで下のフロアが埋まることもなくゆるゆるでびっくり。後ろの方はすっかすかでしたがおかげでどこにいても全体を見られるようになっていて、ありがたいとともにもったいない気持ちもありました。


TOKYO No.1 SOUL SET
よく考えてみれば、ソウルセットは明日もライブがあるので最初に演奏することは軽く予想できていたことなのですが、なぜだか後だと思っていたので幕が上がって出てきたセットに面食らってしまいました。メンバー三人にパーカスとベースを迎えての五人編成。
先日のUNITライブについては見なかったことにしたいので、ソウルセットのライブは昨年の年末ぶり、一年ぶりに聞けた曲があって最初から高揚感に包まれてしまいました。おまけに今回はワンマンで見せるゆるゆるのMCもなく、一貫してクールなステージだったのでそれもまた格好良かったです。ビッケも歌詞を大きくとちったりしなくて、髪が短く茶色になって若々しくなっていました。それでも視線が吸い付いてしまうのはベースの笹沼さんで、今回もやっぱり最初は厚着、そしてマシンガンのように淡々と熱く引き続ける姿にめろめろになってしまいました。
音が大きすぎて割れる寸前だったのが惜しいですが、新旧まんべんなく、比較的キャッチーな曲を演奏してくれました。「Get your skates on」は少し音がごちゃごちゃしすぎていたような気もしましたが、聞きたかった「JIVE MY REVOLVER」や「SUNDAY」もあってフロアも次第に盛り上がりはじめて、大きく揺れるということはありませんでしたが好き好きにゆらゆらしているのが心地良くて、「隠せない明日を連れて」がとても良かったなあ、という印象です。集中力が持続しているようで、適度な緊張感がただよっていたのも良かったです。
確かラストは「OUTSET」で、ゆるゆるだったUNITのことは完全に頭から消し去られて明日のワンマンへと思いをはせました。それにしても笹沼さんのベースが聞けて本当に良かったです。


町田 康(Gt/A×S×E・Ba/赤坂みちる・Dr/恒岡章・Key/石橋英子)
どんな歌声なのだろうか、曲はきっとコアでディープだろうな、とどきどきしながら見てみたら、やっぱりコアでディープな世界が繰り広げられて、町田さんの歌声は朗々としていて、色気がただよっていました。ソウルセットとはまったく違う世界が描かれていたのですが、好きな人には本当にたまらない音楽なのだろうな、というのがよくわかりました。
普段言葉を扱っている人だけあって歌詞に遊びがあったり、萩原朔太郎さん作品の朗読があったり、ステージの空気は独特でした。中でも最初は鍵盤を弾いていた石橋英子さんには視線を奪われっぱなしで、フルートを優雅に吹いたかと思ったらワンピース姿で長い髪を振り乱しながらドラムを叩いたりして、格好良い人だなあ、とついつい見てしまいました。割とおとなしかったA×S×Eさんも最後には暴れていて、そうそう、と頷きながらうねる音を味わいました。


ソウルセットのワンマンが次の日にあるせいなのか仕事納めの日でみんな飲んでいるからなのか、本当に人が少なくてこれだったらUNITでやった方が良かったのかなあと心配にもなったのですが、ライブ自体は二組とも良かったので見やすいステージで良かった、ということにします。ワンマンとなると自然にゆるゆるMCが出てくることと思うので、ソウルセットのクールなライブが見られただけでも満足です。
ちなみに物販では今回のために作られたTシャツと、ビッケが参加している「en-taXi 第16号」*1が売られていました。購入しませんでしたが、彼の書いた小説、読んでみたいです。