東京コンサート

東京コンサート

無意識に選択してしまうことって本当にあるのだなあと感じてしまったのは、曽我部さんのやわらかな歌声に耳を傾けたくなってしばらく味わっていて、ふとサニーデイ時代に「東京」を勧めてくれた子と、ちょうど今日会うことに気がついたからでした。
十年経つと曲だけではなく曽我部さん自身の深い味わいがよりいっそうにじみ出ていて、現在のバンドの曲だと熱すぎてライブでも一歩引いた位置で見てしまうのですが、これはこの場にいたかったなあ、と強く思ってしまいました。曲の生まれた場所の近くにある劇場で弾き語り、一つ一つの曲に歴史を感じて、一つ一つに自分の感情や記憶までもが吸い込まれてはにじんでいきそうでした。この優しさは何でしょう、この気持ちは何でしょう、年を取ることの素敵さってどんな味わいでしょう。時間が経っても変わらない、変わっても変わらない芯の部分をよく感じました。