『ブロック・パーティー』*3

最初ははしごするつもりだったものの目が疲れていたのでそのまま帰って寝ようと決心。してはいたのですがチラシをもらっているうちに、こういう作品は劇場で見た方が絶対に良いよな、と思い直してレイト鑑賞。
デイヴ・シャペルという人に関して何の知識もなかったので、アメリカのラッパーさんはトークのセンスも必要なのだなあと思っていたら、コメディアンだったようで後々納得しました。笑いのツボが合うということはあまりありませんでしたが、相当ブラックで自虐的なネタもありながら彼の愛嬌が毒をやわらげていて、何を言っても許される空気というのが存在していました。そんな彼が繋ぐライブの映像は実際のライブとリハとが鮮やかに流れていくので、目まぐるしいながらも違和感なく見る事ができました。合間に挟まれる開催前の映像もなごやかで、頭を使わず音にも身を委ねられました。
ただ、仕方のないことなのかもしれませんがもったいないと感じてしまったのはラップの時の訳で、翻訳の石田泰子さんも苦労しただろうと想像しながらも音に乗せられるライムとスクリーンに乗せられる日本語が妙にかみ合っていなくて、何だかあれだけのっているのに歌詞をなぞると間抜けに思えてしまうのが残念でした。そして気になったのは、街中で撮影している際に、通りがかりの人には遠くても近くてもぼかしが入っていたことでした。プライバシーは難しい。
よく知っている人たちにはたまらない作品のようですが、私でも知っていたローリン・ヒルが「Killing Me Softly」を歌った時はぐっと引き込まれるものがあって、隣の女の子が泣いていました。お客さんもいわゆるB系な方が多かったのも印象的で、映画館でリズムにのっている人も結構いたようです。日本でこんなパーティーをしても一つの色が明確になってしまいそうなので、難しそうだなあ。
ちなみにシアター1はスクリーンがやや低めだったので髪型ボンバーさんが前の方にいたら少し首を上げなければならなかったのですが、階段のところには車椅子の方がのぼれるようにバリアフリー対策もしてあって、スタッフさんの対応も良くてなかなか良い劇場でした。座席の番号も椅子の肘掛に矢印付きにしてあるのがわかりやすかったです。上映アナウンスも携帯による時間確認やメール操作に対する注意に対してまであって、近頃はそんなことまで言わなきゃだめなのかと思うところがありました。