TOKYO MOOD PUNKS presents ザンジバルナイト

ザンジバールザンジバールなナイト。六時半開演はきつかったものの急いでみたら人身事故の影響で足止め、小雨の降る恵比寿から小走りに向かったらちょうど始まるところに到着できました。誰か来るだろうとは思っていたものの、あけてびっくりなラインナップ。


結構な入りで、後ろの方だと少し見にくいぐらい。全体的に大人なイベントだったので、ゆるゆるということでメモも雰囲気程度にゆるゆると記すことにします。


オレタチ
四人中一人が女の人で、途中前に出てきてカバーの「セーラー服と機関銃」やムード歌謡っぽい科白付きの曲を歌ったり、最初からゆるゆるとだらだらと、お酒を飲みながら聞くにはちょうどよい温度のものでした。(え、あの女の人は南野さんだったの? と他の方の文を読んでびっくりしています。)


TOKYO No.1 SOUL SET
司会がゾノネムさんで「ザンジバールザンジバール」と言ったりしていたのですが、彼の紹介で呼び込まれたのがなななななんとソウルセット! セッティングが短かったのでまさか、BIKKEだけ来てどうするのだろうかと思っていたのでまさか、と少し予感はしていたのですが、いざ名前が呼ばれると心拍数が異様に速くなってしまいました。
今回はメンバーの三人だけで、この形態で見るのは初めて。せっかく笹沼さんがいるのだから、生のベース音が聞きたかったのですが、この後に本番が控えていることを鑑みると難しかったのかもしれません。淡々と音を繋いでいく川辺さんと、生音がギターだけなので普段は聞けないフレーズも奏でてくれた俊美さんはしっかりしていたのですが、それはそれはひどいものだったのがBIKKE、もといビッケル兄さんでした。歌詞が完璧に言えた試しがないので仕方がないと諦めている部分もあるのですが、忘れに忘れて声も出ていなくて、ボロボロ、そして後に昨夜リリーさんと飲んでその後荒川の良々さんと飲んで新宿二丁目まで行っていたということを知って、そりゃあんなボロボロにもなるわあ、と苦笑してしまいました。それにしたってひどい出来で、最初の方の「MORE BIG PARTY」から飛ばしまくっていて、もしワンマンがあんな感じになっていたらいくら何でも見放されてしまうかもしれません。
お客さんの反応はと言うと、まったくもって無反応に近いもので、あまり揺れたりしない私でさえ静かすぎるフロアが心配になってくるほどでした。ソウルセットと客層が結構被っているかなと思っていただけに、動きの無い人たちを見ていたら少しだけ切なくなってしまいました。それでも演奏された曲は昔のものばかりで、最後に聞きたかった「SUNDAY」を演奏してくれたかったので後のお楽しみは12月までとっておくことにします。


スチャダラパー
次のセッティングもかなり短くて、誰だろうかと思っていたら予想していなかったスチャダラパー! その名が呼ばれた途端お兄さん方が結構フロア前方へ詰め掛けていったのでちょっと安心しました。今回もロボ宙さんを迎えての3MC1DJスタイルで、「夢は金持ち」を連呼する、新曲の「disagree」からスタート。前作のものも織り交ぜつつやっぱりMCも軽快、「中学生の頃よく聞いてたんですよ」と言われてもどう返して良いのかわからない、知らないかもしれないけれど10枚目のアルバムで、昔聞いてた人は途中抜けてると思うけどブギーバックは5枚目だからね、ザンジバール、ザンジバール、ザンジバルうまい、等々、歌だけではなくトークも安定していました。残念ながら彼らの時も大盛り上がりということはなく、揺れている人がちらほらといる程度でした。


みうらじゅんZ
四ピースのギターバンド、みうらじゅんさんの歌声は時々かすれたり歌謡曲っぽい歌い方だったりして、少しだけ話したMCのゆるさとは反比例に哀愁が漂うきちんとした音楽でした。最後には「アイデン&ティティ」の曲も披露してくれて、予想に反してきっちりと聞かせてくれました。少しのMCでは松坂選手が50億円で落札されたことに関して、落札という言葉は昔牛に使っていたもので、それを使うのはまずいでしょ、だって松坂が50億で落札って、と、直接は言わなく示唆するところがさすがでした。映画は『手紙』がおもしろいからオススメだそうです、さすが。


TOKYO MOOD PUNKS
待ってました笹沼さん! 彼に関しては何でもウェルカム状態になってしまうので、リリーさんはあまり見ず笹沼さんのベースばかり堪能してしまいました。やっぱり彼の奏でるベースは格別で、あの何とも言えない色気にくらくら。一曲目がインストで、リリーさんは登場しなかったのですが、このまま進めていっても良いな、と思うぐらいこの曲が気になってしまいました。それでもそれぞれのメンバーはさすがに上手なので松下さんのリズムに耳を傾けたりオールマイティーな松田さんが次に何をやるのかつい視線が動いてしまったり、富澤タクさんの手元に目が行ってしまったりもしました。リリーさんの歌声は少し歌謡曲を思い出させるもので、音も大人なイメージでした。リリーさんが弾き語りする部分がある曲では、他のメンバーが普通に煙草を吸いあったりお酒を飲んだり談笑したりして、あまりに自然すぎてちょっとおもしろかったです。
一曲だけBIKKEが参加して彼がボロボロだった理由が分かって、それから恒例となっているらしいシャンパンタイム。専属バーテンさんがシャンパンを空けてグラスに注いで乾杯、その後リリーさんは客席にばらまいていました。
ロックともポップともパンクとも違うけれどどの要素も持っているような、噛み締めるたびに味がにじんでくる音を味わっているとあっという間に終わりを迎えてしまって、そこで第二回が開催されることが発表されました。2月14日だそうで、これまた色々と楽しみになってきました。ダイブした後ラストは新たなシャンパンをリリーさんが開けようとしてフロアに向けて、まごつきながら何とか開いて、振って中身を客席に降らせていました。持ち曲が少ないせいか、アンコールはなしで終了、セッティング時間が普通のライブより少なかったことを考えると、六時半から十時ちょっとすぎまでだったので平日開催にしては結構豪華だったかもしれません。しかもイベント終了後地下3階のSALOONで川辺さんが回すのですが、それも無料で楽しめるということで、大人なひとたちにはとてもおいしいおまけ付きでした。


最初から最後までお客さんが盛り上がるということもなく、思い思いに揺れているということもなく、後ろから見ていてハラハラするぐらい静かでした。客層は割合高めで、男女比も半々ぐらいでした。シークレットだったスチャダラの時は少し盛り上がったのですがトリのTOKYO MOOD PUNKSにおいても大人しいままで、過去のライブもこんな感じだったのだろうかと戸惑う部分も多かったです。いつも自分が静かにしている分、周りが静かすぎるとかえって不安になってしまいました。それでもライブで見たかったソウルセットもスチャダラも笹沼さんのベースも見られたので大いに満足です。ただBIKKEのあのステージはひどかった!