SHIBUYA HEART ATTACK!後夜祭

昨年のAXは今までにないぐらいガラガラでとても快適だったのでEASTだとどうなるのだろうかと不安になりながら七時ぐらいに着くと、お客さんはそこそこ入っていて、後ろの方でも良く見えるものの前は割と埋まっていたので一安心。


オープニングアクトUNISON SQUARE GARDENは開場から開演の間に演奏していたらしく、残念ながら見ることはかないませんでした。


スキップカウズ
一度ライブで見てみたかったスキップカウズ、どんなパフォーマンスだろうかと待ち受けていたら、音源だと割とポップで聞きやすくジャニーズっぽさを感じさせる歌い方でもあったのに実際の音は結構激しくイマヤスさんは客先を野次るアジるで容赦ないものでした。けれど本気でひいてしまう人もいるだろうに、遠慮せずがしがしやっていく姿は男らしくもあり、持ち時間が少ないのに衣装を着けて客席に下りてよしよしとお客さんの頭を撫でて回ったり、その間スタッフさんがイカ(よく見えなかったのですがよっちゃんイカらしきものでした)を配っていったり、その後「スルメ男」でお客さんがタイミングばっちりにイカを投げ込んでみたり、自転車で登場してポーズをとって写メタイムを設けてみたり、迎合せずに自分たちのステージを見せてくれて、そうかこういうことだったのか、と納得してしまいました。


TYPHOON24
フリーマガジンでもよく名前を見るようになって有名になってきてはいるものの、見るのは昨年のHEART ATTACKぶり。昨年は音の分厚さに「おお」となってしまったのですが、今年は以前見た時よりも音が全体的に馴染みやすくなっていました。軽くなっても薄くなったという意味ではなくて、ポップになったというのも少し違って、単に耳が慣れたということだけなのかもしれませんが、受け入れやすくなっていました。お客さんが手を狐の形にして掲げている時、照明の具合でシルエットのようになって綺麗でした。


堂島孝平
知名度からいったらトリかなと思っていたので、ちょっと驚いてしまった堂島さん、そしてバンドセットなのであちこちに目が行ってさあたいへん。やっぱり叩く人によってこんなにも受ける印象が違うのだなあ、と思ってしまったのはノーナの小松さんのドラムを聞いてしまったからで、しばらく彼に釘づけ、そしてtatsuさんの指さばきにも目を奪われつつ、歌詞がざくざく刺さってきたのはぴったりすぎる「25才」でした。甘いけれど苦みもある堂島さんの歌と、相変わらず気さくなMCはどれだけ悪態ついても愛嬌があるから楽しいものでした。ラストは二回もバク転を決めてさすがのステージ、もしかするとまた来年も見られるかもしれません。


スムルース
雑誌でも取り上げられてインタビューを読んで勝手にすました感じなのだろうなと決め付けていたのですが、まったくもってそんなことはなく、終始ウェルカムな空気が彼らから発されていました。想像していたより熱くて、ボーカルの徳田さんがとにかく動く動く。踊っているのかよくわからない動きをしながら、とても楽しそうなのでそばにいた女の子たちも「何か楽しいね」と言っていました。途中紙らしきものに書いた文字を使って他の文字に変えるというパフォーマンスもありつつ、徳田さんの声が誰かに似ているともやもや。後でわかったのですが、イントネーションのこともあってかバッドボーイズの佐多さんに似ていると感じたのでした。


テルスター
昨年はAXに到着したらすぐに終わってしまったので、早く帰って仕事をしなくちゃと残っている一山に焦りながらもトリの彼らまで見てしまいました。ずっと本気でがむしゃらで、なりふりかまっていられないステージ、そしてお客さんの盛り上がりも激しいもので、イメージとしては男の子が突っ込んだりして激しくなるのかなと思っていたのですが、もみくちゃになっているのはほとんど女の子でした。激しいステージと客席を見ながら、ああこれは女だと絶対に出来ない、作り出せない空間だからそれにあこがれる部分もあって身体を動かしてしまうのかもしれない、と別なことを考えてしまいつつ、そぎとられるような音をひしひしと感じていました。彼らがトリ、というのもこのイベントからするとぴったりに見えて、最後までお客さんが満杯になることはありませんでしたが、ちょうど良かったように思えました。


スタンプラリーのガチャガチャは昨年は外れて缶バッチだったのですが、今年は全ライブハウスを制覇しなければならなかったせいか様々な景品も用意してあったようで、気になっていたHOPE THEのCD-R音源が当たりました。九曲も入っていて、こういうものがあるのはとても嬉しいなあ、といそいそ鞄にしまいました。


イベント全体として振り返ってみると、昨年恐らく赤字だったのに今年も開催してくれてありがたく、これからも続けていって欲しいなあ、と強く思いました。ミナミホイールのように街全体でというのは難しいかもしれませんが、昨年はなかったO-EAST系のライブハウスを取り込めたのは結構大きいことだと感じて、後夜祭のキャパもぴったりなぐらいでした。各ライブハウスのスタッフさんたちの対応も良くて、普段ライブに行かない人が参加したとしてもはまってしまいそうでした。いつもと違う渋谷の見方ができて、知らなかった抜け道を見つけられたことが個人的には収穫でした。赤字で開催しているのにこんな希望は無謀かもしれませんが、客寄せパンダと言っては失礼ですが、有名どころに参加してもらってお客さんを呼び寄せて、まだあまり名の知られてないバンドも見て興味を持ってもらうのも一つの手ではないのかな、完全ではないシークレットもあったら盛り上がりそうなのにな、と思うのは自由なので勝手にシミュレーションしてしまいました。今年は昨年以上にカラーが様々で、王道ポップなものからギュイギュイのギターサウンドやディープすぎるものまであって、一つのジャンルに縛られないところが良かったです。来年も是非、思いも寄らぬ人たちを呼んでください、と願いながら今年のリストバンドを外しました。