SHIBUYA HEART ATTACK!

もたもたしていたら渋谷に到着したのが三時ぐらい。小雨の降る中引き換えに行くと、今年は普通のリストバンドだったので一安心、とともにこれを月曜もするのかと思うとちょっと不安にもなりつつ、会場へと向かうことにしました。


the coleslaw(渋谷屋根裏)
ほんの少ししか聞くことができませんでしたが、一度限りの再結成ということでかお客さんもたくさん入っていました。やさしい歌声と心地の良いギターサウンドで、時折入るコーラスもやわらかく、ステージから伝わってくる音もすがすがしいものだったのでどうして解散したのだろうかと思っていたら、就職が原因だったと知って納得。仲の良さがわかるようなライブで、そんな彼らを好きなお客さんも多かったのだろうなあ、とおだやかな気持ちがわいてきました。


グリンゴ(渋谷屋根裏)
せっかく昼に渋谷にいるのだからとBio Cafe*1にてベーグルを購入して、ちらっとグリンゴを見ることにしました。お客さんの数はちらほら、そして鳴らされた音というのはパンクというのかラウドというのか、雄々しいものでした。ギターでボーカルの肩がひじを骨折しているため、サポートにギターを入れていて、手持ち無沙汰になっているところについつい目がいってしまいました。beyondsの音から受ける印象と近かったのですが、ユーモアも混ぜつつだったので遊びも結構ありそうです。


music from the mars(SHIBUYA PLUG)
ドロノフネが気になりつつも、初めてのプラグに心ひかれててくてくと。入るとお客さんはやっぱりちらほらで、最初屋根裏にいた人たちはどこへ行ったのだろうか、と思いながら少しだけ聞くことができました。二曲程度しか聞けなかったのですが、飄々としているようで静かに熱い、ボーカルの藤井さんの姿が印象的で、ホルンも入って前回ライブで耳にしてまた聞きたいなと思っていた曲を最後に演奏してくれたので、足を運んでみて良かったです。


高森ゆうき(渋谷CYCLONE)
サイクロンの受付のお兄さんがコンピに合わせてうっすらと歌っていて気さくなところが良かったです。久しぶりの高森さんは、カホーンのサポート付きで、リズムがつくと世界に広がりと深みが出てきていました。なんとなく、ギターが上達したと感じるところが多くて、「雨のあと」も安心して聞くことができました。お客さんはそこそこ、全四曲と短めではありましたが新曲も披露してくれて、随分とポップな感じでした。次に見るのはおそらくロフト、見るたびに声とギターに安定感が加わっていくので、深夜にゆらゆらしながら聞きたいです。


avoid note(SHIBUYA DESEO)
ぶらぶらしようと思って遠くのDESEOまで足を延ばしてみて、開演間近に入ってみたらお客さんは十人にも満たない程度。少しだけ聞いて後はマツキヨで買い物でもしようかな、と思っていたのですが、なんとなく最後まで見てしまいました。
少し陰のあるギターサウンドで、くせのない声なので馴染みやすく、いかにも女の子女の子してはいないボーカルの子はギターを抱きしめるように演奏するのが印象的でした。頼りなさげではないけれど、凛と一人きりで立っている強さがあるのかまではわからない、はかなさの加減を推し量るのが難しいイメージでした。上品に轟音になっていって厚みも結構あって、ギターの方のパフォーマンスがちょっと熱い。詩的な世界を展開していっているとわかったのですが、聞き取れた単語がどうも直接的すぎるようで、どうせならば選ぶ単語も解釈を色々とできるものの方が深くなるのにな、なんてことを思ったりしました。帰りみちにHEART ATTACKのパンフレットを読んでいたら、アートのライブでオープニングアクトを務めたことがあるらしく、ああなるほどなと納得してしまいました。


PANIC SMILE(渋谷屋根裏)
少しぶらぶらして、今度はVIRONのバゲットレトロドールを購入。サイクロンの方へ行こうか迷ったものの、結局は濃そうな屋根裏を選んでしまいました。予想通り濃いもので、フロアはそこそこの入り、男の人が多いのが印象的でした。リズムをどうやって取ったら良いのかわからないものが多く、本人たちも言っていた通りポップとはほど遠いものでしたが音で攻撃を仕掛けてくるようで、面白かったです。アルコールなしでは聞けたものではないとMCで言っていましたが、なしでもあれはあれで見ごたえがありました。ギターから鍵盤になって、次の曲はポップ、と終盤言っていた曲では鍵盤を弾きながら踊っていて、うーんディープな世界、でもアルコールが入ったらもっと頭の中をかき混ぜられてしまうかもしれないと予感してしまいました。
こちらもパンフを後で見たところ、今度music from the marsやアフロウズなどと対バンするようで、妙に気になっています。


nobol(SHIBUYA PLUG)
ヒダリを見たかったのですが、DESEOが遠かったので断念。開演間近になるとお客さんはそこそこ入っていて、客層も若くポップな感じでした。ふと見ると元フジの足立さんらしき方がスタッフのようなことをしていて、どこかでドラムを叩いていないのかな、と思っているうちに八時。きっかりにスタートでした。
曽根さんが入ってから見るのは初めてだったこともあって、やはり今日も曽根さんのナイスサポートっぷりを確認してしまいました。主に味付け部分を担当していて、その分単調になりがちな曲に癖が生まれていました。途中あまりやることがなく手持ち無沙汰なのかな、随分と余裕を持っている演奏だな、と思いながら見ていたのですが彼によって引っ張られている部分があるのか、以前よりまとまっているように聞こえました。見た目には曽根さんだけお兄さん、という立ち位置。
ゆるいMCは変わっていなくて、ほほえましくなりながら見守ってしまいました。これから露出も増えるだろうし、ちくっとした針を持ちながらもポップな音を発し続けていってもらいたいです。彼らも多分、ロフトで見る事になるでしょう。


Good Dog Happy Men(渋谷屋根裏)
押していたのかちらっとだけUNISON SQUARE GARDENを聞いて、それからセッティングが始まったのですが公開リハとでも言うのか、演奏しながら普通に歌って調整していて、ちょっと得した気分になりました。ぎゅうぎゅうになるかもしれないな、という予測とは違ってフロアの状態は割とゆるゆる、でも前回見られなかった分じっくり味わえたので良かったのかもしれません。
独特としか言いようのない世界観、そしてステージの上。ドラムとパーカッションの二人が向かい合って演奏していて、視線を合わせながら笑いあったり合図をしたり、リズムを合わせたり足したり引いたりしている姿が格好良いものでした。そして普通のバンドならドラムが果たす役割をベースが担っているかのようで、ステージの一番奥でリズムを創りだす二人の視線を見守るように、繋ぐようにそれぞれの表情を見ていて、全体を把握しているように思えました。MCにて予告自殺が今日だったことを憂いていた門田さんは言葉を声で広げてストーリーを展開させていって、四人でいることがとても自然に見えて、不思議な脳内活動さえ始めそうになってしまいそうでした。
せっかくなのでドラムとパーカスの二人をよくよく見ていると、プレイスタイルも随分と違っていて、見ている楽しさもありました。ドラムの内田さんは身体全体を使ってエネルギッシュに叩いているのに対してパーカスの伊藤さんは激しくても決して軸はぶれずに繊細な音を奏でていて、静と動の二つのプレイスタイルを見ているようでした。世界に広がりを見せる音を発するパーカスの伊藤さんの指先に目を奪われて、二人のバランス良さがよくわかりました。そして最後の曲も以前聞いた時に格好良いなあと思っていた、ラストに二人の叩きあいがあるもので、大満足。アンコールも一曲演奏してくれて、ワンマンは控えますがシロップのイベントライブが楽しみになりました。大きなステージだとどうなるのか、わくわくします。
階段を上がって他の会場の混雑具合を見たらDESEOに×、ガールハントだとあそこは入りきらないだろうなあ、と思いながらツタヤへと歩いて現実に戻りました。


イベントは明日もあって全て見たいところなのですが、途中までしか渋谷にいられないのが何とも残念です。パンフを見ていたら音源も気になっていたknock note alienを余計に見たくなってしまって、行けたらPLATONと迷っていただろうなあ、と想像で補完するしかありません。