目覚めよと人魚は歌う

目覚めよと人魚は歌う

つかめない人というのは、いつでもだれでもつかめないままで、わかり合えたと思った瞬間があってもそれはすぐに終わってしまう。そんな人は確かにいて、絶対的な拒絶を感じながら関わらざるを得ない皮肉や手を伸ばしてしまう悲しさ、さみしさのことを感じてしまいました。大きなドラマが描かれているわけでも、登場人物の内面に著しい成長があるわけでもありませんが、乾いた人間関係とそれぞれ一筋縄ではいかないキャラクターが面白くもありました。平坦なので物足りない部分もあるのですが、それも味ということで。