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- 作者: 木堂椎
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: 単行本
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「いじめられる」のではなく「いじられる」ということ、それはとても現代的であって、昨日会った生徒たちにおいてもその傾向は見られました。塾においての男の子たちはいじる側といじられる側に分かれていて、いつもはつるんでいてもいじられる側にも優劣があるようでした。いじめではないからパシりをさせたりはしないし、きつい暴力を与えたりもしない、ただゆるゆるとした苦しみが続くだけ。救いは一番いじられていた子が違う中学で、察しが少し悪かったこと、かもしれません。
思い返してみれば色々と見えてくるものがあって、あの教室の中で成り立っていた世界の深さをいまさらながら知りました。昨日会った数人の中にいたいじられ側だった子は相変わらず軽くいじられていて、でもそれがする方もされる方も多少大人の接し方となっていたので、中学生など思春期特有のものなのかもしれないな、という結論に行き当たりかけたのですが他の方の感想をちらっと見ていて描かれていたのが中学生ではなく高校生だったことに自分の勘違いを知り、今も彼らはそこにいるのだろうか、受験生なのでさすがにそんな遊びは消えているのだろうか、と現実を知りたくなりました。
時代を感じさせる表現が多く、等身大の言葉を使っているのであまり文学作品、という受け入れ方をされないかもしれませんが、木堂さんのこれからが非常に楽しみです。