スペースシャワー列伝〜噛噛の宴〜

映画を見るのは今度にしようと決めて時間があまったので、せっかく整理番号が早いのだから椅子席でのんびりしようと思ったらノーチェアー。ひと夏の思い出ということでせっかくだからたまには前で見ようと張り切ることにしました。




カラーボトル
ボーカルさんがハンドマイクで熱唱、すごくあつくてエネルギーが直接伝わってくるかのようでした。若いなあとほほえましくなりながら、歌にどこか「泣き」を思わせる部分があって、それでいて楽しそうに演奏しているところが印象に残っています。


転換時には、客席右側に設置されたスクリーンにキャンディさんとリュウジさんが映って演奏を終えたミュージシャンと会話するという形式がとられていました。エンドカットのようなものが手で映されるところに味わい深さを感じました。


APOGEE
もっと早く出会っていたらなあ、とよくよく思ってしまいました。世界観が完成されていて、それぞれに不可侵な部分もありつつ上手く融合していて、好きな世界であるのにどこか一歩引いてしまうのは大人すぎるからなのかもしれません。
前回は前の女の人の香水に酔ってしまってきちんと聞けなかったので、今回は王子と噂される大城さんをきちんと見よう、と思っていたのですがセッティング登場時からスーツでキャラが徹底されている内垣さんに気が向いてしまって、結局彼の動向を見守ってしまいました。
ステージの上には二つの鍵盤があって、サポートの女の人がピアノを基調とした音で感情の起伏を演奏するときにも感じさせるものなのに対して、衣装からこれまたキャラが徹底されている大城さんは音も顔も無表情のようでした。ただ近いがゆえにいろいろと見てしまって、演奏していないと気を抜いて猫背になってしまうところが面白かったです。髪で顔が隠れても鼻が高いので見える見える。
ベースの内垣さんは指弾きなものだから、ついつい視線がひきつけられてしまいました。演奏もあつく、途中まで出番がない曲ではフラメンコのように手拍子をしてスティックを持ってはシンバルをたたいたり、そのスティックでベースを弾いたりして面白かったです。
静と動、赤と青、相反する世界が幾重にも織られていて、ああもっと早く出会っていたらなあ、と再びタイミングのことに思いをめぐらせてしまいました。


Base Ball Bear
MCではクアトロに初めて立つことに関して小出さんがアートの名前を出したことにほほえましい気分になりながら、メンバーがとても楽しそうに演奏をしているのでにこにこしながら聞いていました。片足を上げて演奏する関根さんは格好も今日は女の子らしくかわいらしくて、途中ダンスというかタンバリンタイムでハッスルしていた湯浅さんを見て思わず笑ってしまったり、前方の三人を見守っている堀ノ内さんも笑顔がこぼれていて、何回も噛んでいた小出さんもまた楽しそうで、ワンマンに足を運ばなくてもまた次に見るときはもっと楽しそうになっているのだろうな、と素直に思えました。


peridots
まさかの弾き語り。当然バンド編成でくると思っていたので、アコギしかない状態だったのでタカハシさんがTシャツデニム姿で普通に登場した時には驚きました。新曲も演奏されて、以前聞いたことがあるのかないのか曖昧なのですが、一番最初の曲の「行間で罰しないで」という表現が好きでした。もうひとつの曲は星の下で〜というようなラブソング。その後に昔の曲をということで「トーキョー・トゥ・トーキョー」を。
ギターがんばりました、といって始めたはいいものの失敗してやりなおしてもまた危うかった「労働」はシンプルであればあるほど彼の声が直に伝わってきて、最初聞いた時はそんなに気にならなかったのに回を重ねるごとに意味が重みを持ってきます。そして最後は「ライフワーク」、高音はもとより中低音の色っぽさがマイクを通して伝わってきて、歌声の美しさに息を呑むほど。MCはゆるゆるでしたがぐっとひきこまれました。鍵盤などバンド編成で音の厚いのも良いですが、ギターと歌声のみの方がタカハシさんの声と寄り添うように響いてきて、思わずこみ上げてくるものがありました。静かで穏やかで、諦念を感じさせながらも屈さない部分を持っている歌は、じわじわと回を重ねるごとに浸透してくるようです。


the ARROWS
ペリのみロックロックがあるので会場を後にした、ということでトークはなく、そのためトリがアロウズだったのかなと考えながらわくわく待ち。

JIVE JIVE→ナイトコール→(渋谷の街は危険だから等々の流れ)→恋する摩天楼→(名古屋から出てきてこうやってみなさんのところで演奏できて嬉しい等々しんみりする言葉)→スターサーカス→BGMの向こう側→ロックンロールダンジングガール→(本編終了後、アンコールの拍手は少しでキャンディさんが登場)→Oh!ベイビー!!

フェスなどで演奏されている曲に「スターサーカス」が加わったためか、上手いこと緩急つけた内容になっていました。激しいだけでも踊りまくるだけでもなく、切なくて身体を動かすことによって気持ちを振りきりたくなったり、ゆらゆらとしたくなってしまうようなところもあって中盤の流れが良かったです。個人的には一番好きな「JIVE JIVE」をそろそろ最初に持ってくるのはやめてほしかったりするのですが、贅沢は言っていられません。そういえばまた今回も「プレイボーイは憂いボーイ」が披露されなくて、せっかくの夏も終わっちゃうなあ、と次に聞けるのがいつなのか気になります。
いつもは山内さんばかり見てしまうので、今回はシュンジさんの方をばっちり見ることにしたら、二人のギターが本当に良いなあと改めて感じてしまって、「ナイトコール」の追っかけていくような部分や、「ロックンロールダンジングガール」で左右それぞれのりながら演奏しているところなどは後ろからステージ全体を見たくなりました。それと久しぶりに近くで見たせいなのか、キャンディさんが随分と厚くなっていることに衝撃を受けました。音が、ではなく体が厚かったです。
終演後にチケットを販売していたのですが、10月2日にQueにてカスタネッツと対バンするようです。ちゃんと聞こうと思っていたのでナイスタイミング。9月の関東近郊ライブには行けなさそうで、Quipのイベントライブもエレ片の方に行く予定なので、しばらくアロウズはおあずけになりそうです。


それぞれがそれぞれに独特の世界を持っていて、転換中も退屈しないような工夫がしてあってとても楽しいイベントでした。さらに今日はステージの上のアーティストだけではなく彼らを映すカメラマンさんに気が向いてしまって、絶妙のタイミングで切り替えたりズームしたりしていく様にはついつい小さな画面の方を見てしまいました。