ストーリーに重点を置いた感動ものなのかなと想像していたら見事に裏切られました。科白は最低限のものだけで説明は一切無く、映し出される自然の情景は美しくも冷ややかで音楽も風景に添うように神聖で透き通るようなもので、老いることの哀しみがどことなく漂っていていました。老人のロードムービーという点もあって、曲がった腰やよろよろと歩く姿に哀愁を感じながら、真新しいスニーカーだけが異様にも思えました。淡々と映し出される情景、幻想的なショット、風景からにじみ出てくるかのような感情の波があって、とても静かなのに何かを感じずにはいられませんでした。原題が「Children of Nature」なのにも納得、ああ劇場で見たかったです。