大川興業第30回本公演 『Show The BLACKⅡ イウ コエ オト』*3

今年と昨年とのネタバレはないようにメモしますが、もしかしたら少し内容に触れてしまう部分や芳しくないものが含まれてしまうかもしれないので、畳みます。
昨年、Iの方の芝居を見た時に、あまりの衝撃で一時間ぐらい下北をふらふらとしてしまいました。内容が私好みのもので、ラストを見た時に鳥肌がざざあっと立ってしまうぐらい、ものすごいエネルギーのようなものを見せ付けられてしまいました。詳しくは言えませんが、暗闇だけの世界、視界を奪われた状況の中で、いや、見えるものがないからこそ色々と想像できて、とても考えさせられるものでした。この衝撃は誰かに伝えてもうまくいかないものでしょうし、あそこにいなければわからないものだと思うので、是非多くの人に見てもらいたいと思っていました。
それが今年、新作が上演されると知って、大川興業という名前を出さずに友人を誘っていったのですが、新作は昨年までのものとは少し趣を変えたものとなっていました。暗闇劇の可能性を探っていて、挑戦しているということはよくわかったのですが、メインの出演者の科白が時々つたなかったりして、別のところに意識が向かってしまって存分に作品を味わえなかったのが残念でした。話の内容も一つに絞りきれていない感じがして、もったいないという印象が残っています。同行した友人も渋い顔をしていて、昨年一緒に見に行っていたら!と思ってしまいましたが、これから回を重ねるごとによくなっていくと思うので、期待しています。でも、やっぱりIの衝撃は超えられないな、と個人的な嗜好を含めるとそんな結論意至ってしまいました。できればもう一度、Iを再演してもらいたいです。