「容疑者 室井慎次」*5

陰影、八嶋さんの南海キャンディーズ山ちゃん髪型、無駄を一切省いて本気を感じさせるオープニングとエンディング。


踊るシリーズに関しては溺愛で激甘なので、話半分にしておいてください。

まず、オープニング。今までは映像的に遊びも凝っていて様々な映画へのオマージュ等あったりしたのですが、今回はキャストの名前も順々にゆっくりと表示され、映像も細かく切り替わるわけではなくあくまでも普通に流されていました。ここまで見て「あ、本気で映画に取り組んでいるんだ」と思いました。前作までの遊びが入った部分も好きなのですが、このシンプルさに男気を感じました。

ストーリーにはあまり触れません。ただちょっと、室井さんの葛藤が少なかったかな、というのと敵である弁護団があっさり負けすぎだったな、というのが不安要素です。そして一番感動すべき室井さんの独白シーンで目にまつげが入ってしまったので別の意味で涙を流してしまい、台無しなことをしてしまった記憶はよく残っています。
映像観点からすると今までのものより凝ってはいなかったのですが、陰影を多用していて、「こんなところまで暗くしなくても良いのに!」と思うところまで暗くしていたのは、演出なのだと冷静に思ってしまいました。が、室井さんが真っ暗闇に包み込まれそうになっていた時にドアが開いて光が差し込んでくるという描写には、そうなるだろうなと予想していてもぐらっときてしまいました。

脇キャラも強烈で、ドラマの「さらば愛しき刑事」(プロファイリングチームが出てくる話)を彷彿とさせる嫌な役回りだった八嶋智人さんは髪型が南海キャンディーズの山ちゃん仕様でとても素敵でした。

エンディング後についても今までならばおまけショットがあったのに今回はスタッフロールのみで、作品の重さを感じさせるようになっていました。私は救いようのない話が好きだったりするのですが、散々振り回しながらも踊る溺愛視線から見ると糸をつなげてくれたのは嬉しかったです。