劇団健康「トーキョーあたり」

友達にケラさんの芝居について話を聞いていたので心配になってはいたのですが、心構えをしていったおかげか心配していたほど、どっきりはしませんでした。
オープニングからケラさんが出てきて自虐と思えるような行動を取り、どこかで聞いたことのある曲だと思ったら「キレイ」の格好をしたらしき奥菜恵が映像で出てきてインタビューに。結構自虐ネタもあったりして、もっと演劇を見ていたらもっと笑えたのだろうなあという箇所がいくつもありました。でもかじる程度の知識しかなくても笑えてしまって、痛いけれどそこにまた味があるものでした。
セットがとても綺麗で、三列になっている床がスライドするところがとても好きでした。壁というか障子に描かれた模様も凝っていて、豪華ではないけれど細かなところまで神経が行き届いているところが良かったです。
話の筋はあってないようなものだと聞いてはいたのですが、『生きる』や『東京物語』を連想させる場所がいくつもちりばめられていて、ぐぐっと引き込んでいくのかと思いきやそこに入ってしまうと出てきてしまうメッセージを隠すためにわざとはぐらかしているような印象を受けました。ネタバレになってしまいますが、最後が黒子だったところには度肝を抜かれました。あっけにとられながら「こういうのに怒る人もいるんだろうなあ」と思いながらも、「嫌いじゃないな」というのが素直な感想でした。それと、遠目だったせいか犬山さんが小西真奈美に見えました。