おさむショー「YELLOW〜股間に咲いた向日葵〜」*8

やっぱり生でしかこの楽しさは味わえない、と何度も思う内容でした。話の筋はとてもシンプルで、それだけ追っていったら陳腐なものなのかもしれませんがちょっとひねったりするだけで全然違ったものに見えて、涙が出るほど何回も笑ってしまいました。前回のおさむショーが泣きの要素を取り入れたお芝居寄りのものだったので、それを期待してきた人には肩透かしをくらったかもしれませんが、今回も少ししんみりしつつ爆発させる内容でした。
何より野沢直子さんのパワーがすごくて、強烈なオーラが出ていました。客席に水まいたり集中攻撃してずぶぬれにさせたり、一人のお客さんを最後までいじり倒したり、テレビでは絶対に言えないようなネタを連発させたり、南海キャンディーズの山里さんをもてあそんだり、一挙一動に釘付けでした。やってることが横暴なのにその動作を見ているとキュートささえ感じてしまうのは、彼女の持つ愛嬌なのかもしれません。
カンニングの竹山さんも途中声をからしながらも他の出演者に助けられて、拙者ムニエルの村上さんに見えたりしながらもフェロモンを放出していました。ポストカードが売れないと嘆いていましたが、彼にはやっぱり独特な色気がありました。舞台でしか吐けないような、ちょっとお客さんが引いてしまうようなネタもあって、やっぱりおさむショーで見る芸人さんは輝いているなあと再確認。最後のスタッフロールのところでスペシャルサンクスに中島さんの名前があったところにもあたたかさを感じました。
最近は演劇やライブを見ても「後で映像化されるからいいや」と思っていた部分があって、自分の目で見られるのはその時しかないのに、ずいぶんとメディアに甘えていたように思います。それがこのおさむショー、映像化されることはないと公言しているので、見逃しては駄目だし聞き逃したらもう二度と味わえないと思い、必死に舞台を見ていました。そこでしか見られなくて、絶対に残らないからこそ出来る行動や発言がたくさんあって、それこそがライブの醍醐味で、おさむショーがショーである所以なのでしょう。開演前と休憩中にしずちゃんが舞台で一人あれこれしているところも楽しみがいがあって、最後に出演者全員が踊るところは見ていて圧巻でした。当然、次回のおさむショーにも行くつもりです。