ひかりのまち (サンデーGXコミックス)

ひかりのまち (サンデーGXコミックス)

彼の作品にただようカタルシスのようなもの。それぞれがどこかで繋がっていて、漫画みたいに現実はうまくいかないことばかり。情景描写がうまくて、これを描いたのが自分の同年代の人だとは思えない面もありつつ、瑞々しさを感じるのは若さがまだ残っているからなのかもしれないという気持ちもあります。現実に対してあきらめつつも、少し期待している部分もあるという天邪鬼さ。
気持ちも立ち位置も微妙なところにいて、「夢」と言われるものに対する接し方も少しはわかってきている。でも、でも、とまだあきらめたくないところもある。そんなもどかしい気持ちを閉じ込めるのが上手な方だと思います。小説だと乙一さんに近いでしょうか。