よゐこライヴ「蔵出し総集編」


電車を乗り継いで天王洲アイルから新橋へ。よゐこの単独は二回目で、前回が最前列のど真ん中というあり得ないぐらい近い位置で堪能してしまったので、より一層生の魅力にやられてしまったのでした。しかも今回は蔵出し、しかも総集編ということであのネタが見られるかもしれない!と期待もかなり高まっていました。


初っ端にたくあんのネタがあって、そこから繋いでフナとおたまじゃくしに行って、なんだか自分が生で見ていることに違和感を覚えてしまいました。テレビで見た通り二人はほとんど棒読みのような台詞回しをしていて、若いネタだからなのか決して説明しようとはせず淡々と展開されていくところには唇の端っこをあげてニヤリと笑ってしまいました。後のコントではちゃんと驚いたり感情を込めていたりしたので、そういうネタなのだと改めて思い返してみると、よゐこが作り出す世界って好きだなあとしみじみしてしまいました。
幕間で流れる音楽が小沢健二なところもまたツボで、前回はウィンクだったところも見逃せません。そして今回は有野さんの結婚ということもあって、祝電のメッセージを女の人が朗読していました。出川さん、千秋、キャイーンのお二人、勝俣さん、濱口さんの家族(父、母、次男、三男、祖母)、そしてめちゃイケでもクローズアップされていた松竹芸能の東京支社長の人からもあり(確か「次結婚する時は先に教えてください」というような内容でした)、放送を見ているとより一層楽しめるものとなっていました。
他のネタは知っているものもあり、おぼろげなものもあり、初めてのものもありと盛りだくさん。めいどのみやげ屋、マリオとルイージ、忍者のラブレター、ヒーロー、遭難、スーパーマンのタクシー。コント名とやっていた年がスクリーンに映し出されていたのにまったく覚えていないのが残念でなりません。もう終わりなの?と思うぐらいあっという間でした。既に蔵出しはソフト化されていますが、カメラが入っていたのでDVD化されるかもしれません。
エンドトークはかなり長めで、結婚したご祝儀ということで濱口さんの家族から、とおもむろにお腹から袋を取り出して、ご祝儀袋を渡していました。楽屋で渡せば良いのにと言う有野さんに対して恥ずかしいからと言う濱口さん。そして袋の中からもう一つ大きなご祝儀袋を出して、濱口さんからの分も渡して「これが今払える精一杯の分」というようなことを言っていたのですが、ありがたく受け取っていた有野さんに向かって言い放った言葉が、素敵すぎました。中身海苔三枚だから……ってことで、実際にその場であけてみたら、まだ小さな包みがあって、それもあけてみたら本当に海苔が三枚入っていました。しかも一枚だけ長くて、きちんと小さな包みの内容を書くところにも海苔三枚と書いてあったみたいです。コントでも笑ったのにここでも笑わせてもらって得した気分でした。
最後の方では有野さんが「お前誇れるものあんのか?」と先日披露宴のスピーチで濱口さんが吐いた格好良い科白を濱口さん自身に向けると、即答で「ない」と言い切っていて、「俺何にもないのに言ったもんな」としみじみ言う姿が二人の関係性を示しているかのようでほほえましかったです。
ロビーではなぜか棒に風船をくっつけたものを配布していて、もらったはいいもののカバンにも入りきらないし、風船部分だけ出してもすべって落ちそうになるしと大惨事。仕方がないので黄色いハートの風船のくぼみの部分に手をのっける場所にすることでなんとかしようとしました。

テレビとは違った面を見せてくれるよゐこのライブは、想像以上に私好みなもので、新作をつくり続けるのは鈴木おさむさんも多忙な方だからこのペースでやっていくのは無理なのかもしれませんが、ゆっくりでも良いので続けていってほしいと強く思います。