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- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2003/06/25
- メディア: DVD
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言葉を扱う哲学者であり作家でもあるアイリスが言葉を失っていく過程を過去の映像を織り込みながら描いていて、夫の献身的な姿もまた愛の一つの形をあらわしていました。年をとっても強い意思を持った瞳が印象的なアイリスが、大事に大事に扱ってきた言葉たちの形をつかめなくなっていく描写がとても丁寧に描かれていました。ふとした兆しやそれに気づいてしまう彼女、夫も必死に彼女を世話しているのですが彼自身も老いている。切なすぎて画面が見れないほどだったのが、徘徊したアイリスを届けてくれた老人にお礼を言い、夫が名前を聞くと、彼は二人の昔からの友人だった、というところでした。助ける立場である彼もまた、忘却と戦っているのだということがよくよくわかりました。でもこの作品はアルツハイマーという病気に主点があるのではなく、二人の愛が一番輝いていたからこそ、そのコントラストが感情を揺さぶったのでしょう。
予感していたとおり、ずっと泣いていたように思います。鼻がずるずるになって涙で画面が見えなくなるほど泣いてしまいました。明日はたぶん、目がはれていることでしょう。