Orangery+

Orangery+

女の子の声が聞きたくなったので流してみたら、あらあら笑みを含んだやわらかな抜けの良い声、そしてきらきらとした音、優しくて甘くて女の子らしい世界が描かれているのに胸焼けまではしないさじ加減。女の人の持つするどさはなくて、しなやかで伸びあがるのがとても心地良かったです。思っていた以上にすんなり溶け込んできて、春先にも聞きたくなるだろうな、と手袋をしながら先のことを考えてしまいました。ライブで味わってもみたいです。

『イカとクジラ』*3

上映が今週までだと知って焦ったものの時間的にも間に合わなかったので『エコール』は泣く泣くあきらめて、かわりに気になっていた別の作品を見ることにしました。
愛しているし愛されたいけれど、当然自分のことだって愛している。好きでひねくれたわけでもないのにそういう役割にもなってしまったので後戻りできずにいる。登場人物はみんな不器用で空回りで、こずるいところがあって、でも憎みきれない愛嬌があって、とぼけた笑いもそこかしこに散りばめられているのにラストシーンでは映像だけで語ってくれる感情があったので、あたたかいのかつめたいのかせつないのかうれしいのかよくわからない気持ちになってしまいました。

毎年見ては楽しんでいるだけだったので、今年は「2006年の映画をふりかえる」企画に参加しようかなと思っていたのですが締め切りが明日14日までと知って大慌て。今のところ劇場で見たのは今日のを含めると43本で、その内新作は32本。個人的嗜好のみではなくバランスを考えてみると、どれにしようか本当に悩んでしまいます。明日までに選びきれるのか、そして情熱を込めておすすめする文章を並べられるのか、今年こそは頑張りたいです。