今日のことをライブのカテゴリーに入れて良いのか迷いましたが、聞いたことに間違いはないのでメモしておきます。メレンゲ四ヶ月連続ワンマンライブ、起承転合。私は「起」のみ見ることができました。つまり本日の「合」は見ていないということです。
フジQから帰ってきてフジしか聞けなくなり、それがフジとメレンゲしか聞けない状態になっていたので、これはよろしくないと数日前に外聞きすることを思い立ったのでした。結果として耳をすませた分記憶に残るライブとなって、今もまだ余韻にひたっています。

BOXXは思っていた以上に音漏れがしていて、扉に背をもたせかけたりフンフン鼻歌歌ったりしながら、とても自由な時間を過ごすことができました。スタート時間の七時はまだ空に夕暮れが残っていて、赤みがだんだんとうすくなって藍、そして闇に飲まれていく様を見られた上、蝉の鳴き声が混ざってくるものだからフェスでメレンゲを聞いているような感覚でした。キラキラとした音だけで皆川さんがいるということもわかり、「underworld」は目をつむりながらかつてリキッドで初めて聞いた時のことを思い出したりもしました。冬の曲なのに虫の声にも似合っていて、季節どおりの「8月、落雷のストーリー」では空を見ながらあそこに稲妻が現れてくれないかなという現金なことも思ったりして、目の前の空に気持ちをゆだねては背中から音を受けていました。友人がインスピレーションを得て小説を書いた「彼女に似合う服」もひさしぶりに聞けて、前よりいっそう世界が濃くなったような気分。先月も来れば良かった、と思っても手遅れです。
外の雰囲気にぴったりでうれしかったのが「初恋サンセット」! 虫の音とともにじんわりと染み込んできて、こんなにも贅沢な空間をほぼ独り占めしてごめんなさい、と謝りたくなるほどでした。扉一枚隔ててもメレンゲの色も魔法もきちんと伝わってきて、実際にステージを見ていなくても頭の中に浮かぶ情景で十分でした。
四回すべては叶いませんでしたが、はじまりとおわりは聞けたので自分の中で完結はできている、はずです。これで明日からたまりにたまった音源を聞いていける……かどうかは、まだわかりません。