「アンタッチャブルのシカゴマンゴ“他力本願”ライブ2009」

密かに楽しみだったイベントライブ、どうせ同じネタだし……と考えて二部だけにしたのですが、これは一部も見ておくべきでした。複数の芸人さんのネタを一日にたくさん見るというのは、初めてかもしれません。
ネタの具体的な内容には後日放送されるので触れませんが、番組に関する説明を書いていたら結構長くなってしまったので閉じておきます。


どんな内容のライブか説明しておくと、アンタッチャブルTBSラジオでやっているシカゴマンゴという番組内のコーナーで「ツッコミ先行宣言」なるものがあります。これは柴田さんが考えた「ツッコミ」をお題として、漫才だったりコントだったり一言だけだったりと展開を見せつつ最終的にそのツッコミでネタが終わるようにする、と、簡単に言ってしまえばそれだけなのですが、最近では突っ込むまでの内容が漫才……特徴的な漫才をやっているような人たちのようなネタを展開していくものが多くなって、その週によって「〜風」の芸人さんの人気が高まったりしていました。ネタを読む山崎さんもその人風に読む上、ちょっと上手いのがおもしろいです。そしてそのうち芸人さんを呼んでその場で聞いてもらい、ちらっと演じてもらうというようなこともありました。ちなみにブラックマヨネーズの回は何度聞いても知っているネタなのに、本人たちのネタではないのに笑ってしまうほどでした。
それで、今回はあらかじめ各芸人さんたちにお題である「ツッコミ」を発表してもらい、それに対してリスナーが投稿する、採用されたら実際にライブで披露する、という趣旨でした。この人は上手いなあ、本当に本人が言いそうだなあと思うネタも今までにあったので、とても期待していました。

二部の出演者はDJであるアンタッチャブル以外にBOOMER、東京03、ゆってぃ、ビーグル38、おぎやはぎという、ラジオを聞いていたら納得のラインナップではあるものの、やはりここにブラマヨが来て欲しかったという願いもありました。
セットは中央奥に大きなテーブルとイスがいくつか置いてあって、テーブルの上にはマイクと「ON AIR」という赤いランプ、いかにもラジオブースというセットでした。パーソナリティのアンタッチャブルがゲストを呼び込んでトーク→ネタ披露→トーク(採用された職人さんに話を聞く)という流れだったのですが、ここで緊張するおぎやはぎ……というより主に矢作さんのガチガチっぷりがおもしろいぐらい伝わってきて、バカ爆以来だと山崎さんが言っていたのですが、壁を相手にきっちり二人で練習をしていたそうです。ゆるい感じしか見ていなかったので、貴重でした。
それぞれのネタは選ばれるだけあって本当に本人がやっているようなものばかりで、実際にやっているネタも挟みつつ展開していくものもあり、お得な感じもありました。どの要素を使ったのか言いたいですが、それはネタバレになりそうなので控えておきます。
東京03は練習の鬼だけあって、一部で間違えたらしいところを何度も何度も繰り返していたせいで他の人たちがそこを覚えてしまうぐらいだったらしいです。間違えたのは角田さん、実は二部でもミスしてしまったのですが、そこは後々につながっていました。でも成功したパターンでも見たかった!
さて、ここでもうひとつ説明が必要になります。このコーナーにおけるBOOMERというのは特殊な位置にあって、本人たちはそういったネタをしていないのにもかかわらず勝手にキャラをつけられていって、という前提のもとに次々と新たなネタが送られては紹介されていました。どういうものかといえば、BOOMERが人気芸人の漫才やコントをパクろうとするのだけど、駄目キャラという設定の伊勢さんはどこか間違えてしまい、完全にパクりきれず河田さんに駄目出しされる……というスタイル。
だからBOOMERだけはBOOMER風ではなく、そのラジオのキャラ風なので、オリジナルがどこにもない、という難しすぎる状況の中のライブでした。でも、さすが、もう、さすがとしかいいようのないおじさんたちで、きっとこうなんだろうなーとラジオを聞いて想像していたまま、いやそれ以上を再現していました。まさかそこまでやってくれるなんて!
ツッコミのお題は一つなのですが、採用されるネタは二つあるので、ライブは二回とも二部構成となっていました。一巡が終わると順番がまた変わって新たなネタという流れ。そして一つのネタが全組終わった時に面白い試みがありました。ラジオらしいというかライブらしいというか、初めてだったのでわくわくしたのですが、今見たネタに関する感想をその場で携帯を取り出して番組のアドレスに送り、二つ目のネタ前のトークで紹介していました。このリアルタイムさがライブらしく、メールというのはラジオらしく、公演中にカコカコとみんなが携帯に向かっている姿は珍しかったです。
採用された職人さんたちは招待されて前列にいて、ネタが終わった後にトークをするという形でした。あああのラジオネームの人はあんな感じなのか、という楽しみもありつつ、実際にネタを書いた彼らしか完成形を知らないので、おぎやはぎがとちってもそれさえ「台本通りだよね?」と聞かれて「そうです」と答えてしまったら、真実がわからなくなってくるわけです。一字一句間違わず、台本通りやる……というのが一応の決まり事で、だからそれぞれ練習を重ねてきていたみたいなのですが、どこまでが台本でどこまでがアドリブなのかわからないのがアンタッチャブルで、やりたい放題でした。ずるい、あれは一部も見た方が楽しめました。
どのネタも本人たちが実際に演じることでちょっとした違和感もなくなっていて、他の人が書いたものだと忘れてしまう瞬間もありました。書いている側もその人たちが好きなんだろうなあ、だからあのくだりを入れたんだろうなあという愛情も感じられて、思わずニヤリとしてしまう場面もありました。
wikiより、シカゴマンゴは「リスナーがパーソナリティ」とあるように、職人さんのネタも多く、初めて聞いたら馴染みにくい空気があるかもしれませんが、リスナーを大事にしているというのがよくわかる番組で、だからこういったイベントでも成功したのでしょう。と偉そうなことを書いている私も彼らのラジオを最初から聞いていたわけではなく、伊集院さんのおまけ程度にしか考えていなかったのですが、すみませんと謝りたくなるぐらい、ラジオの良さが出ている番組でした。

ネタについても叫びたい単語があったりするのですが、それは放送が終わってからにとっておくことにします。興味がある方はたぶん来週木曜、9/3の深夜一時から流れると思いますので聞いてみてください。ナイナイとかぶっているので悩むところですが、どちらか録音しておけば大丈夫!