sgt.presents「生命」vol.16

見終わるより前、見ている最中に出てきた言葉といえば、前回expopスペシャルで見た時にも思ったこととまったく同じ、「めっちゃ好っきゃねん」という科白でした。うさんくさいことこの上ないですが、テンションが上がってしまってどうしようもない気持ちを表すにはこれ以外なかったのかもしれません。二日続けてnestは初めて、ダブル辞書で筋トレ状態の中、たっぷりと音だけの世界に酔いしれてきました。


fresh!
久しぶりに聞いたfresh!は、やはりごちゃまぜな感じがたまりませんでした。リズムに乗れなくても身体を動かしたくなる不思議、それぞれバラバラなことをやっていて音としてのまとまりもないのかもしれませんが、それでもなぜか一つの曲として成立していているからひきつけられてしまいます。ウェディングコースも先着3名様まで6800〜用意している、とのことでそんなカオスな結婚式に出席してみたくなるほどでした。「どさくさに紛れて何すんねん」という曲が特に印象に残っていて、音にまみれるという表現が浮かんできました。


middle 9
曲ごとに色が違っていて、鉄琴……ではなくビブラフォンも軽快さや深さがあって、それでも描いている世界にはぬくもりを感じたのは人柄も関係しているのかもしれません。メンバー間による結婚宣言もほほえましく、格好つけではなく人間らしさがにじみ出ていて、野外で聞いたらもっと気持ち良さそうでした。


sgt.
好っきゃねんと心の中で何度言ったかわかりません。今回はアルコールを摂取していても翻弄されてなぶられるといった感覚を自分自身が持つことはなく、客観的に見られたと思っていたのですが、体温がぐわっと上がってくるような興奮状態になっていたので、違った感覚でいただけなのかもしれません。鍵盤が必要だからなかなか聞けないなと思っていた「すばらしき光」もワンマンとは違ったアレンジで演奏されて、サポートで鍵盤が入っていたので成井さんのバイオリンもプラスされて鳥肌! この曲は音源の方が好みだなあとワンマンで聞いて思ったのですが、これはこれで好きになってしまいました。
sgt.はシリアスなバンドではないと明石さんが言っていて、でも描いている世界はストイックで時には無機質、過剰な面もあるのに他の余計なものは差し挟まない鋭さが良さでもあると思っているので、ちょっとぐらい気位が高く思わせても傲慢だとは感じません!
終盤に披露されたもので初めて聞いた曲があって、そのタイトルもわからない上に新曲なのかどうかさえ把握していないのですが、これがまた好みにどんぴしゃーんどんがらがっしゃーんな状態で、ピアノ質の鍵盤がメルヘンな感じの美しい旋律を奏でていって、それと他の楽器の音とが混ざり合ってだんだん解体されていく様がたまりませんでした。早く音源で聞きたいです。
アンコールは「銀河の車窓から」で、この曲は光が見えるような優しい世界なので、のぼり詰めていくけれど恍惚の表情をのぞかせていたとしても狂ったものはあまり感じず、もう終わってしまうのがかなしくなるほどでした。あっという間に終わってしまい、ワンマンの模様を収録したDVDを我慢するのに必死。

ぎゅうぎゅうというほど人が入っているわけでもないのに、なぜだか前日より見にくい? と思っていたら、平均身長が高めだったからでした。男の人も多めで、年齢層も前日より高めな印象。思いっきりノリノリという種類のライブでもなかったので、それぞれが好きなように揺れていてなかなか居心地の良い空間でした。