CINRA presents「exPoP!!!!! vol.20」

設置されてから通るのは初めてだったので、歩きながら見ていたらそのまま縫いとめられるかのように動きが止まってしまいました。この引力は何なのだろうというほどの強いエネルギーがあって、真正面からだと受け止めきれないかもしれない、でもしっかりと向き合ってみたい、でも今日はライブがあるからまた今度、ということで視線と思考を「明日の神話」から振り切ってnestまで。これからまた幾度となく通るので、その度に葛藤をかかえることになるのでしょう。
月に一度のお楽しみイベントは七時半開演かと思っていたら七時開始だったので既に演奏は始まっていました。


conchill
ジャンルとするならばエレクトロニカーよりもフォークトロニカー寄りで、少し幼い男の子の声とウィスパーボイスの女の子の声、アコースティックとエレキギター、それぞれが電子音と絡み合って世界を紡いでいました。


the guitar plus me
言わずもがなかもしれませんが、それでもあえて言いますが、ギターが達者! 音だけではなく動く指を見る楽しみもあって、アコギ一本で打ち込みもないため本当にそこでしか演奏されていない音で勝負していました。歌がものすごく上手というわけではないというところも雰囲気に合っていて、シニカルなタイトルをつけながら実際の音はとても優しいという、表現する側の視点が愛を持ってその世界を見ているとわかる、おだやかな場所でした。
家に帰ってから装飾の施された音を聞いてみたのですが、音源の方が英詞が馴染んでいるように思えるのも愛嬌ということで、これからじっくり聞いてみたいです。最初、「ギタープラス兄さん」と思ってすみません。


wooderd chiarie
あ、何か響いてくると思ったら今日初めての生ベース音でした。きちんと聞くのも初めてだったのでこういう音だったのか、と背中で語るような哀愁を含む声を味わいました。


bronbaba
空間までも演出されるような、ぴんと張り詰めた世界。一つでも誤ったら崩れてしまうような、でも異物があったとしてもそれさえエッセンスとなるような、発される音と発されない音に耳を澄まして研ぎ澄まされていく感覚をなすがままにしておきました。低いと色気のある声なのに、瞬間ごとにくるくると変わっていくのでそこも見逃せませんでした。


来月は行けないかもしれないけれど、毎月楽しませてもらって申し訳ないぐらい感謝しています。exPoPは来年も是非続けてもらいたいイベントです。