「shimokita round up」*1

とても良いイベントでした、とまずは一言。来年も是非開催してください、というのは要望。良くも悪くも「下北的」な色合いが強くなって種類としての幅がせまいような気もしたので、ここは「下北ナイトウォーカー」*1あたりと組んで違う毛色の人たちを織り交ぜてもらうとありがたいです、というのは単なる寝言。
演奏が四十分、転換が二十分で間には出演者のコメントが流れるという楽しみがあるので、携帯からメモを送る暇もほとんどなく、あっという間に一日が過ぎてしまいました。
以下、見た人たちのちょっとしたメモ。


アナログフィッシュ
始まる頃にはぎゅうぎゅう、とまではいかないまでもほどよい混み具合となっていて、ライブは盛り上がる曲中心、フロアも段々とあたたまってきて、キラキラで楽しい欠片がこちらまで降り注いでくるようでした。始まりをこの人たちで迎えられたことに感謝しつつ、やっぱり「sayonara 90's」ではかっとばされる側となってしまいました。認められるにはまだ時間が必要ですが、この曲を聞いてもやもやするのが好きになってきている自分がいます。


throwcurve
やっとライブを見られた人たち。入場SEかと思っていたらDJブースで歌い出して、そのまま曲が始まりました。あの曲さりげなく格好良かったのでまた聞いてみたいです。ちょっと斜に構えた感じなのかなと勝手に思っていたのですが、昔とは違う、変わってしまった、と言われたとしても自分たちはあなたたちに向けて発しているというようなことをMCで言っていて曲に対する真摯さ、お客さんに対する思いを感じることが出来てやさしい気持ちになれました。ジャキジャキのギターでも声はやわらかさを含んでいて、かげりがありつつも楽しむことができました。


tobaccojuice
パーティータイム! ライブバンドという種類とはちょっと違う、ライブだと余計に体温が伝わってくるタバコは今回もふふふと笑ってしまうぐらい幸せに満ちていて、穏やかで優しい音にくるまれてしばらく余韻に浸っていました。無料配布のCDもあって、とても得した気分。


ホープ
251を出てふらふらして、ちょっとだけ見に行ったmonaでは静かに弾き語りが行われていました。ギターだけでは頼りなさげな歌声でしたがゆったりとするにはちょうど良く、カバーでペリの「毎日」をやってびっくり! 昔から好きでよく見に行っていて、好きな曲だったので記憶をよみがえらせて耳コピをしたと言っていました。音がふわっとするところがタカハシさんの旋律らしく、声が聞きたいな、と思ってしまいました。


ANATAKIKOU
多くを語る必要はありません。ぺらっぺらのMCも彼らの味で、名曲「リリー」の出だしから間違えたって関係ありません。彼らの醸し出す空気と奏でられるメロディーがあれば、にやにやしながら楽しめました。


高森ゆうき
ドリンクは種類が豊富なmonaにて。そしてこちらも久しぶりの高森さん、透き通るような歌声に思わずうとうととしてしまいました。心地良くて吸い上げられるようで、「朝のうた」も聞きたいなあとかつて朝に聞いた時のことを思い返しつつ、ゆらゆらとしていました。


メレンゲ
Queは軒並み規制がかかっていたような印象です。ちょっとおしていたからなのか入場列までも規制がかかって、それ以上並ばせるわけにもいかないのにお客さんがどんどん集まってきていてスタッフさんも大変そうだったのですが、さすがプロ、と思ったのは臨機応変に対応を変えていたことでした。
少しずつ入場列を作って中に入ることができたら、もっとぎゅうぎゅうだと思いきや意外に快適で、息苦しくはない程度に満員でした。無理して詰め込むのではない、このへんのさじ加減もプロだなあと単純に感心してしまいました。
メレンゲは皆川さんのいない四人編成で、キラキラ度は低かったのですが、ああやっぱりメレンゲだ、この音こそメレンゲだと思うばかりでイメージに支配されすぎることなく現実の音に耳を傾けてることができました。クボさんの声があまり出ていなくても、繰り広げられる世界が同じならかまいませんでした。新曲もあって、最後に演奏された「絵本」という曲は甘い感じだったので動揺することはなかったです。


the ARROWS
メレンゲが終わっても動く人が全然いなかったのでそのままQueでランクを見る人が多いらしかったのですが、ちょっと心を動かされながらもやっぱり最後はアロウズを選びました。garageは一番遠い場所で高校の頃時々通っていたため気持ちが若返るような気もしつつ、フロアへ入ると演奏中。FoZZtoneは男の人らしい激しめの音で、スカッとするイメージがありました。アロウズは25分おしぐらいでスタート。
新旧織りまぜた内容で、久しぶりに「オレンジバックビート」も聞けて良かったです! あんまり時間がなくてMCもアンコールの拍手も省かれていたり、Tシャツで軽装のリュウジさんも見慣れないままでしたが、ダンスを見られただけでも満足です。五人が楽しんでいるという姿が伝わってきて、フロアも適度にスペースがあってお客さんが好きなように踊っていて、おとなしくしているつもりだった私もつられてついつい動いてしまいました。あの空気はずるい、としか言いようがなくて、無表情でいようとしても笑顔になってしまうほどでした。



最初のチケット引き換えからして元ハイラインの場所、そしてそこに出演者の缶バッチガチャガチャがあって楽しませる気満々、こここんなに至れり尽くせりで良いんですか、と心配になってしまうほどでした。タイムテーブルの載ったminiQUIPもきちんと作りこんであって、会場と会場の間にはたくさんのお店の誘惑が待ち構えていて、歩いていたら出演者と普通にすれ違ったりして、下北沢という街に対する愛情もこれでもかというほどに感じることができました。無理をすればもっとチケットをさばくことができたのかもしれませんが、混乱してしまうことを避けて、参加した人たちが快適に過ごせるようにと気を使っているところも感じられて、本当に心地よかったです。
会場入り口のところには他会場の混雑具合がわかるような案内があって、スタッフさんたちも密に連絡をとりあって対応もきちんとしていて、それなのにとっつきやすさもあって、さすがプロ! ありがとうございます! と何度もお礼を言いたくなりました。また来年もあることを願って、そしてハートアタックも何らかの形で続いていくことを願って一年を待つことにします。素晴らしいイベントをありがとうございました!