つばき「PORTRAIT+」

PORTRAIT+
白い息を吐いたのならば、差し込んでくる光は斜めでなければ。という気分でつばきを久しぶりに聞いてみると、一色さんのことが頭にあるせいかやはり不適な笑みが思い浮かんでしまいました。英語にすればニヒル、ですが日本語の「不適」こそぴったりなイメージ。織り込まれて開かれて盛り上がってきたところにのせられる声は系統としては音速の藤井さんに通ずるところがあるのかな、と耳をすませて切なさがにじむままにしていたのですが、浮かぶ映像はそれぞれに違っていました。太陽に藤井さんの方は身体を向けていて、ひかりを全体で受け止めてまぶしそうに嬉しそうにいるのがわかりながら、同時に影が後ろに伸び上がってできていくというもので、一色さんは太陽には背を向けてひかりのあたたかさを背中で感じながらも表情は読めなく影がどんどん顔を押し隠して自分をも飲み込んでいく、というようなものでした。似ているようで似ていない、切ない音たちは冬の情景にお似合いでした。