何を聞こうか大体見当をつけておいたのに、別のことに気を取られていたせいか白い機体を置き忘れ。山のぼり五日目は断食、ではなく断音楽で峠を越えて無事降りてきました。久しぶりに耳を自由にしてみると聞こえる聞こえるまちの音。工事のうるさい金属音、子どもたちのはしゃいで叫ぶ声、奥様方の井戸端会議、不穏なカラスの鳴き声、葉と葉のこすれあう音。お気に入りの路地裏を歩きながらユンケルを飲んで、自分の靴音を気にしながら天気の行方を占いました。
帰り道は雨と雨の合間だったせいか快適で、頭の中に浮かんだ清志郎さんの「雨上がりの夜空に」を曖昧な歌詞で流してみて、そこからヘルマンの「言葉の果てに雨が降る」へと移行しながら静かすぎる道を自転車でたどりました。ひっそりとした夜道は何かの秘密を抱えているようで、見てはいけないものがありそうでした。
残った山は小さなものだから大丈夫、と安心して、明日ならヒダリも出るトレモロイドの企画ライブに行けたのに、と悔やみながらもいよいよ金曜は映画映画、時間があったらはしごはしご、とルンルン気分でいたところ、机の上に新たな山が届いていました。引き受けたことさえすっかり忘れていたので余計に気が重くなって、見たい映画の上映時間を見たら間に合うか微妙な上にトークもあるらしいので無事見られるかおおいに心配です。