FLAGE

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新譜が待ちきれなくて聞いてみたら、想像通り野音のライブに行かなかったことや北海道で聞いておかなかったことを後悔してしまいました。いつかのどこかの、あるいはこれからの場所や情景について描写してあるように聞こえるのに、それがどこなのか最後までわからない、輪郭があやふやな世界。蜃気楼のようでいて、けれどそれほど揺らぎがないのが不思議でした。メインとなる旋律が存在していないようなのに、それぞれの楽器がささやかなる主張を持っているのであれ、とひっかかる場所がいくつもありました。音自体は目まぐるしくなる部分もあるのですが、長い長い時間をかけて表情を変えていくような、笑みをゆっくりと浮かべていくような、モーフィングみたいな印象を受けました。言ってみれば「アッコにおまかせ! 」の一コーナーにある、ブレインショックのようなもの。気づく人は最初からわかっているけれど、鈍感な私はいつまで経っても変わったことに気づかない。何はともあれ、1曲55分という新譜を早く聞きたいです。