Sound by iLL

Sound by iLL

大人の余裕でもって計算と直感を融合させながら、感覚と理論の絶妙なバランスの上に成立いているかのような音楽。顕微鏡を覗き込んでいる写真が頭のどこかにあったせいか、音「と」遊んでいるというよりも音「で」遊んでいるかのようでした。おもしろがりながら音を重ねていく姿が思い浮かんで、そうやって作り出されたものに翻弄されるのが楽しかったです。どうやら私は本質的に電子音の入った音に惑わされるのが好きなようで、最初から最後まで意識を絡めとられっぱなしでした。
核心はつかずにまわりから様子をうかがってみたものの、そろそろ本腰を入れてスーパーカーの音楽を聴く頃合のようです。きちんと聞いたら絶対リアルタイムで味わえなかったことを後悔するとわかっているのでまだ足踏み状態で、それでもその後の音楽をそれぞれ耳に入れると好みのものなので早く味わいたいという二つの気持ちがせめぎあっています。ああ、隣の部屋から聞こえてきた曲にもっと耳をすませておくべきでした。